家具が届いた。
ピンポ〜ン
チャイムが鳴ってる気がする。
ピンポ〜ン
いや、確実に鳴ってる。
「今行きま〜す」
寝ぼけた声で返事をするも、絶対に聞こえてないだろう。
急いでソファーから起き上がろうとするが、瑠璃華が俺にもたれかかるように寝ていた。
道理で重いはずだ。
起こさないように、でも急いで立ち上がり小走りに玄関へと向かった。
「は〜い。
今出ま〜す」
ガチャ
玄関を開けると、案の定家具屋のロゴの入った服を着た人が2人いた。
「ご注文の品お届けにきました」
「ありがとうございます。
えと、廊下に置いてもらって良いですか?」
「わかりました。
失礼します」
配達員さんは、組み立て式のベッドにマットレス、タンスの入った箱を軽々と廊下に運び入れてくれる。
「こちらに受け取りのサインお願いします」
差し出された伝票にサインをして渡す。
「ありがとうございました。
またよろしくお願いします」
配達員は丁寧に頭を下げて帰っていった。
「さて取り敢えず荷物を部屋に持っていくか」
そう思い荷物を持とうとした、が
「重っ」
思った以上に重かった。
「あの人達は化け物か!」
瑠璃華の荷物を持ってきた人といい、配達する人たちの力は凄まじいものだ。
まぁ、正解はただの運動不足だろうが。
「仕方ない。
ここで開けてパーツごとに部屋に持ち運ぶか」
そう思い直し開封用にカッターを取りに行こうとする。
ピンポ〜ン。
チャイムが鳴った。
今日の来客予定はもうないはずだ。
瑠璃華が何か必要なものを通販しておいたのだろうか?
「はぁ〜い」
まだ玄関入ってすぐの所に居るので声は届いただろう。
カッターを持って来るのを一時中断して、再び玄関を開けに行く。
ガチャ。
開けるとそこには希望さんがいた。
思いもかけない嬉しい来客者だ。
でも、急に何かあったのだろうか?




