瑠璃華の突撃日 帰宅
帰りに皆で、瑠璃華が行きたいと言った、パンケーキのお店に行ってきた。
どうやら最近出来たみたいで、お客さんは女の子同士やカップルばかりで、俺1人だったら絶対に入らない、いや、入れないような雰囲気の店だった。
ホイップクリームが多くて、生地がフワフワで口溶けは凄かった。
妹も希望さんも、スマホで写真いっぱい撮ってたし、喜んでたみたいなので良かった良かった。
希望さんとは、彼女の部屋の前で別れた。
晩ごはん誘ったけど、今日はパスとの事だ。
曰く、『これ以上、お邪魔して恨まれたくない』と。
それを聞いた瑠璃華は、何とも言えない顔をしていた。
部屋に戻ってから瑠璃華に、
「晩ごはん何か食べたいのあるか?」
と聞いたら、
「お母さんから、色々持たされたから、それで大丈夫だと思うよ」
と、バッグからタッパーいっぱい出してきた。
そこそこ大きいバッグの中身は、ほとんどタッパーだったのだ。
「えぇ〜、バッグの中身全部、食べ物だったの?
それじゃあ、着替えとかは?」
「服とかは重かったから宅急便で送ったよ。
16時〜18時で送ったから、早ければもうすぐ届くと思うよ」
確かにしばらく泊まっていくなら、瑠璃華も女の子だ。
着替えだけでも多そうだし、化粧品とか身の回りの物も必要だろう。
「そうそう、しばらく泊まっていくんだろ?
仕事部屋の物を寝室に移動して、部屋1つ開けて瑠璃華の部屋にしようと思うんだけど、明日ベッド買いに行くか?」
この前泊まった時にベッドが良いと言ってたからね。
「え? 良いの?
行く行く♪」
「それとハイこれ」
そう言って、部屋の合鍵を渡す。
在宅ワークなので、ほとんど部屋にいるが、もしもの時のために合鍵を渡しとかないとね。
「ありがとう。
まるで同棲始めたカップルみたいだね♪
名字同じだから、新婚カップルかな?♪」
嬉しそうに鍵を受け取る瑠璃華。
希望さんに言われたかった、と思ったたのは瑠璃華には内緒だ。
そして、俺と同じような事を考えてる瑠璃華とは血の繋がりを感じた。
まぁ、瑠璃華は冗談で言ってるとは思うが。
「夏休みの間、よろしくね。
お兄ちゃん♪」
そう言って俺に抱きついてくる。
「はいはい」
苦笑いしながら、瑠璃華の頭を撫でる。
「はいは一回だよ、お兄ちゃん」
「はい」
「よろしい」
返事を訂正させられた。
「ところで、バイトの面接は何時行くんだ?」
編集さんが来る頃か。
ちょうど良かった。
「わかったよ。
月曜日の午前中に、打ち合わせに仕事の関係者来るからちょうど良かったよ」
「ここで打ち合わせするの?」
「そうだね。
いつもじゃないけど、今回はうちでやることになったよ」
「ふ〜ん。
お兄ちゃんって、なんてタイトルの小説書いてるの?
お母さんに聞いても知らないって言われたし」
オフクロは元より、オヤジにも教えてないからな。
「それは内緒で。
身内に読まれるかと思うと恥ずか死ぬからね」
ホント、身内に読まれるとか、黒歴史日記読まれるくらい恥ずかしい。
「ケチっ」
「と言われてもね。
それより荷物届くまでに、少し部屋片付けないとだな」




