瑠璃華のお泊り。延長戦
「お待たせ、ご飯出来たぞ〜」
テレビを見てみると、ちょうど某国民的アニメが終わったところみたいだ。
じゃんけんしてた。
「わかったよ」
すぐにやってきて運ぶのを手伝ってくれる。
「じゃぁ食べようか」
「ん。
いただきます」
「そう言えば、明日は何時ころ帰る予定だ?」
ご飯を食べながら話しかける。
「まだ考えてないけど、あまり遅くなると心配させるだろうし、かと言って学校休むから早く帰ってもね・・・」
高校生だから補導とかはないだろうけど、確かに真っ昼間に帰るのは気が引けるのだろう。
「なら、3時くらいに出るようになるかな?
そうすれば、5時前に着くだろうからね」
「そのくらいかな。
昨日来たときも、家をそれくらいに出たから」
「家まで送ってかなくて大丈夫か?」
「そんなに心配しなくても大丈夫だよ。
熱も下がったしね」
瑠璃華は苦笑いしてる。
「あ、でも、駅まで送ってくれたら嬉しいかな♪」
「わかったよ。
ホームまで送っていくよ」
「ありがと♪」
そんな穏やかな食事時間も過ぎ、食器洗いは瑠璃華がしてくれる事になったので、俺は風呂掃除をしお湯張りする。
「瑠璃華、風呂入れそうか?」
片付け終わってソファーでくつろいでた瑠璃華に声を掛ける。
「入れる〜。
身体拭いたけど、お風呂入らないと気持ち悪いからね」
「じゃあ、お湯張り終わったら先に入って」
「わかったよ。
あ、でもお風呂で、また熱上がって倒れるかもしれないから、お兄ちゃん一緒に入ろ?♪」
突然とんでもない事を言い出す。
「さすがにそれは、ちょっとね・・・。
熱出しそうなら、お風呂止めときなさい」
冗談で言ってるのがわかっていても、真面目に答えてしまう。
「冗談だよ、冗談。
あ、でも、お兄ちゃんが私と一緒に入りたいって言うなら、何時でも入ってきて良いからね〜」
意地の悪そうな笑みを浮かべて言う。
「はいはい、バカなこと言ってないで、そろそろ張り終わるから行ってきなさい」
俺はしっしって感じに手を振り、瑠璃華を脱衣所に向かわせた。
「まったく、急に反抗期終わったと思ったら、前以上に甘えん坊になったんじゃないか?」
風呂に向かう後ろ姿を見送りながら、ボソッと呟く。
瑠璃華が風呂から出るまで、1時間近くかかった。
その間、残りの家事をしたり、仕事の続きをしたりしていた。
しかし女の子は長風呂の人が多いみたいな話は聞くが、瑠璃華も女の子だったって事だな。
今度泊まりに来る時は、先に入ろうと決意し俺は風呂に入る。
ちなみに、俺の入浴時間は15〜20分くらいだが、誰も聞いてはいないだろう。
風呂から出ると、瑠璃華はソファーに座って、テレビを見ながら、スマホをいじっていた。
「まだ起きてたのか?
病み上がりなんだから早く寝なさい」
「お兄ちゃんを待ってたんだよ」
「俺を?
なんで?」
「ちゃんと、おやすみなさい言いたかったから」
ずいぶんと可愛い事を言う。
でも、急に変わると怖いかも?
「そっか。
おやすみ。
明日は起こしたほうが良いか?」
「自分で起きるから大丈夫だよ。
おやすみ、お兄ちゃん」
そう言って、瑠璃華が頭を向けてくる。
一瞬頭突きされるかと思ったが、少し考えた後に頭をなでることにした。
「えへへ♪」
瑠璃華は嬉しそうに微笑むと部屋へと入って行った。
どうやら正解したらしい。
さて、俺も寝るかな。
昼寝したけど、まだ眠い。
明日の朝は寝坊しないようにしないとな。




