ランチタイム
お昼ごはん作り終わったのだが、希望さんはまだ部屋から出てこない。
結構時間経ったのだが、やはり瑠璃華も女子だから、丁寧に拭いてもらってるのかもしれない。
もう少したっても来なかったら呼びに行くかな。
しかしどうしよう。
瑠璃華の桃缶も用意したけど、一人部屋で食べるもの可哀想だけど、こっちまで来て具合とか大丈夫かな?
悩む・・・。
まぁ、悩んだ時は深く考えずに、本人に聞けば良いだけだ。
ちなみにお昼ごはんはパスタだ。
前に作って冷凍してたミートソースを解凍して、茹でたパスタにかけるだけ。
それにサラダとスープを作った。
ちゃんとオリーブオイルまぶしたから、くっついたりはしないと思うけど、そろそろ呼びに行くかな。
トントン
部屋の扉をノックする。
身体を拭くのに服を着たままのわけもなく、いくら妹とは言えノックもなくドアを開けるわけにはいかないだろう。
「どうぞ〜」
希望さんが返事をする。
ガチャ
「そろそろお昼ごはんになりますよ」
「あ、はい。
ありがとうございます」
ベッドの縁に座ってた希望さんが立ち上がる
「瑠璃華、こっちで独りは寂しいだろうから、桃缶向こうで一緒に食べるか?」
「ん。
そうする」
ベッドから起き上がろうとする。
「立てるか?」
「大丈夫」
そう言いながらも、手をこちらに伸ばしてくる。
俺は苦笑いをしながら、手を取り立ち上がらせる。
希望さんは、微笑ましそうな羨ましそうな、不思議な表情で見ていた。
「行きましょうか」
そんな希望さんに声をかけ、瑠璃華の手を引いてリビングへと向かった。
「簡単なものでスミマセン。
以前作ったミートソースを冷凍してたのでパスタにしました」
希望さんに席を勧め、瑠璃華を反対側の席に座らせ、希望さんにはパスタ・サラダ・スープを、瑠璃華には桃缶を切って器に盛り付けたものを出す。
「お兄ちゃん。
私もパスタ少し食べたいな」
「食べれそうか?」
「うん。
次はいつ、お兄ちゃんの料理食べれるか、わからないから食べたい」
なかなか可愛いことを言ってくれる。
昨日とは大違いだ。
明日になって、熱下がったら元に戻るのだろうか。
早く治って欲しいが、もしそうならちょっと寂しい。
「わかったよ。
なら、俺のから食べれそうなだけ取って良いよ」
そう言って取り皿とフォークを渡す。
「ありがと」
そう言って微笑む。
やっぱり病人特有の弱々しい感じがあるな。
寂しいけど、早くいつもの調子に戻って欲しい。
俺はすでに持って来ていた仕事部屋の椅子に座る。
「じゃあ食べようか」
『いただきます』
「そう言えば、瑠璃華ちゃん、もうすぐ夏休みじゃないのかな?
夏休みになれば、何時でも遊びに来れるんじゃないの?」
希望さんには、瑠璃華が寂しそうに見えたのかもしれない。
「そうだな。
今回買物も行けなかったし、夏休みになったら何時でも遊びにおいで」
「うん。
お泊りしても良い?」
「もちろん構わないよ。
ただ、今度はちゃんと何時来るか連絡してくれよな」
俺は苦笑いしながら言う。
「わかった」
素直に返事をする瑠璃華。
素直過ぎて怖い。
「買物行くなら、私と一緒に行かない?
望さんと一緒に3人で行くのも良いかも♪」
「お兄ちゃんと2人が良い」
一蹴する瑠璃華。
「フラれちゃった。
シクシク」
瑠璃華の言葉に、嘘泣きする希望さん。
俺の知らない一面だ。
やはり、女子同士だと色々違うのだろう。
「まぁまぁ、せっかくだし希望さんも一緒で良いんじゃないか?
俺じゃ、どこに何が売ってるかもわからないし、服とか買いに行くなら女子同士の方が盛り上がりそうだし」
俺の言葉に、ちょっと眉をひそめる。
「わかったよ。
でも、お兄ちゃんと2人きりでも遊びに行きたいな」
「あ、じゃあさ、私と一緒に服買いに行って、それ着て望さんと遊びに行くってのはどうかな?」
希望さんの提案に、瑠璃華が俺の方を見る。
「そうだね。
なら、新しい服で一緒に遊びに行こうか」
「うん。
それなら」
それからも俺たちは、夏休みの予定話をしながらゆっくりした時間を過ごした。
ご飯を食べ終え、もう少し話をした後、希望さんは部屋へと帰って行った。
瑠璃華には市販の薬を飲ませ、ベッドに入って晩ごはんまで寝てるように言った。
今年の夏は忙しくなりそうだな。
そんな事を考えながら疲れたのか眠くなってきたので、少し昼寝をしてから食材の買い出しに行こうと、仕事部屋の布団に入った。




