表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/65

Side Ladies

Side 希望(のぞみ)


 瑠璃華(るりか)ちゃんが熱を出したらしい。

熱があるだけで、他の症状はないみたいだから風邪では無いんじゃないかと、望さんは言ってたけど心配だ。

お見舞いに行こうかな?


 そう言えば、瑠璃華(るりか)ちゃんが寝たきりなら、買物いけないんじゃないだろうか?

なら、スポーツドリンクやプリンなんかを買って行こうかな。


 そうと決まれば、早速買い物に行こう。




Side 瑠璃華(るりか)


 目を覚ますとお兄ちゃんがいた。

どうやら私は、熱を出して寝込んでたらしい。

いつも強くあたってるのに、お兄ちゃんは相変わらず優しい。

熱を計ってる間に、雑炊を作って持ってきてくれた。


 熱が出たことをいい事に、せっかくだから少し甘えてみた。

嫌な顔ひとつせず、雑炊を食べさせてくれる。

何だか自分が情けなくなってきた。

そう思ったら、泣いてしまった。

急に泣き出した私に、雑炊のせいだと思ったお兄ちゃん。

その勘違いに少し落ち着いた私は、ようやく、本当にようやく、お兄ちゃんに謝ることが出来た。

さすがにお兄ちゃんに対する本心は言えなかったけど・・・。

お兄ちゃんは、優しく許してくれた。

そして再び、お兄ちゃん呼べることに。

少しずつ、少しずつ、お兄ちゃんに私の気持ちを知っていってもらおうと思う。



Side 希望(のぞみ)


 買物を済ませた私は、その足で望さんの部屋へと行くことにした。

急だったので玄関先で帰ろうと思ってけど、望さんは快く部屋へと招いてくれた。

そして、瑠璃華(るりか)ちゃんが寝てる部屋へ案内してくれる。

あの時私が寝た部屋だった。

瑠璃華(るりか)ちゃんと話をするが、相変わらず私に対して素っ気なくて悲しい。

仲良くなりたいし、いつか“お姉ちゃん”と呼んでほしいのに。

取り敢えず、仲良くなることだけを考えてみよう。



Side 瑠璃華(るりか)


 訪問者は希望(のぞみ)さんだった。

お見舞いだと言うけど、本当はお兄ちゃんに逢いに来たのではないかと思ってる。

お見舞いは、ただの口実じゃないかと。

私の身体を拭くと言い出したのも、お兄ちゃんに対する何らかのアピールだと思う。

確かに汗で多少気持ち悪いのは事実だけど。

そんな私に近づいて耳元で、


「汗臭いとお兄ちゃんに嫌われるかもよ?」


 なんて言い出した。

ビックリした。

この人、私の気持ちに気付いてるのかと。

私の気持ちに、どこまで気付いてるのか、どうにかして確認しないと。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ