Side Ladies
Side 希望
瑠璃華ちゃんが熱を出したらしい。
熱があるだけで、他の症状はないみたいだから風邪では無いんじゃないかと、望さんは言ってたけど心配だ。
お見舞いに行こうかな?
そう言えば、瑠璃華ちゃんが寝たきりなら、買物いけないんじゃないだろうか?
なら、スポーツドリンクやプリンなんかを買って行こうかな。
そうと決まれば、早速買い物に行こう。
Side 瑠璃華
目を覚ますとお兄ちゃんがいた。
どうやら私は、熱を出して寝込んでたらしい。
いつも強くあたってるのに、お兄ちゃんは相変わらず優しい。
熱を計ってる間に、雑炊を作って持ってきてくれた。
熱が出たことをいい事に、せっかくだから少し甘えてみた。
嫌な顔ひとつせず、雑炊を食べさせてくれる。
何だか自分が情けなくなってきた。
そう思ったら、泣いてしまった。
急に泣き出した私に、雑炊のせいだと思ったお兄ちゃん。
その勘違いに少し落ち着いた私は、ようやく、本当にようやく、お兄ちゃんに謝ることが出来た。
さすがにお兄ちゃんに対する本心は言えなかったけど・・・。
お兄ちゃんは、優しく許してくれた。
そして再び、お兄ちゃん呼べることに。
少しずつ、少しずつ、お兄ちゃんに私の気持ちを知っていってもらおうと思う。
Side 希望
買物を済ませた私は、その足で望さんの部屋へと行くことにした。
急だったので玄関先で帰ろうと思ってけど、望さんは快く部屋へと招いてくれた。
そして、瑠璃華ちゃんが寝てる部屋へ案内してくれる。
あの時私が寝た部屋だった。
瑠璃華ちゃんと話をするが、相変わらず私に対して素っ気なくて悲しい。
仲良くなりたいし、いつか“お姉ちゃん”と呼んでほしいのに。
取り敢えず、仲良くなることだけを考えてみよう。
Side 瑠璃華
訪問者は希望さんだった。
お見舞いだと言うけど、本当はお兄ちゃんに逢いに来たのではないかと思ってる。
お見舞いは、ただの口実じゃないかと。
私の身体を拭くと言い出したのも、お兄ちゃんに対する何らかのアピールだと思う。
確かに汗で多少気持ち悪いのは事実だけど。
そんな私に近づいて耳元で、
「汗臭いとお兄ちゃんに嫌われるかもよ?」
なんて言い出した。
ビックリした。
この人、私の気持ちに気付いてるのかと。
私の気持ちに、どこまで気付いてるのか、どうにかして確認しないと。




