様子がおかしい瑠璃華
目覚ましより早く目が覚めた。
隣を見ると、瑠璃華はまだ寝ていた。
俺は起こさないように細心の注意を払いキッチンへと向かう。
「さて、瑠璃華の朝ご飯も用意しないとな。
トーストと、昨日の残りの野菜でサラダ、後はハムエッグで良いかな」
冷蔵庫の中身を見ながら朝食メニューを決め、作り始める。
カチャ
ドアが開く音が聞こえた。
どうやら瑠璃華が起きたようだ。
すぐにリビングに入ってくる。
が、まだ頭が寝ているのか、フラフラ歩いている。
「おはよう、瑠璃華」
こっちをボーっと見ている瑠璃華に挨拶をする。
すると、フラフラとこちらに歩いてきて、そのままの勢いで俺に抱きついてくる。
「!!!」
声にならないくらいビックリした。
まさか瑠璃華が抱きついてくるとは。
そして、俺を上目遣いで見上げて笑顔で、
「お兄ちゃん、おはよ~」
っっっっっっっ!!!!
まさかの“お兄ちゃん”呼び。
破壊力が凄まじかった。
これが、ツンデレの破壊力。
俺は妹に嫌われてるのかもしれない。 〜何時もツンしかない、うちも妹がデレた瞬間が可愛すぎた件〜
そんな感じのタイトルで今度書いてみよう。
しかし死ぬかと思った。
今までツンデレを誤解しててごめんなさい。
俺は今、新たな癖を開いたかもしれない。
が、どうにもおかしい。
よく見ると、顔が赤く目が潤んでて焦点が微妙にあってなさそうだ。
まさかと思い、おでこに手を当てると熱かった。
どうやら熱があるらしい。
熱の影響で幼児退行起こしてるみたいだ。
耳の下辺りを触ってみるが、腫れている様子はない。
「瑠璃華、喉痛くないか?」
「ん~ん~、全然痛くないよ~」
どうやら扁桃腺の大丈夫そうだ。
疲れか、いつもと違う環境のせいで一時的に熱が上がったのだろう。
「大丈夫か? ご飯食べれそうか?
ご飯食べて薬飲まないとだな」
瑠璃華は、俺の胸に顔をうずめている。
「瑠璃華、まずは熱を計ろうか。
それから、お兄ちゃんご飯の用意するから、ベッドで寝て待ってて。
出来たら持って行くからね」
「やぁ~の~、お兄ちゃんの側が良ぃいの~」
そう言って、俺の胸に頭をグリグリと押し付ける。
なんだかちょっと懐かしくなった。
昔は甘える時に良くそうやっていたな。
「じゃ、そこのソファーなら、キッチンにいるお兄ちゃんが見えるだろ?
良い子だから、ソファーで横になって待ってて」
ソファーを指差し、優しく語りかける。
少し考えたそぶりを見せるが、すぐに、
「ん、わかった。
抱っこ」
両手を広げ抱っこをせがむ妹。
推せると思います。
俺は、お姫様抱っこをしてっソファーへ連れて行く。
まぁ、広いリビングではないから、すぐに着くのだが。
「もっと抱っこ~」
ソファーに降ろそうとすると、降りたくないと首にしがみついてくる。
「良い子で、ご飯食べたらまた抱っこしてあげるからね。
瑠璃華は良い子だから、お兄ちゃんの言う事聞けるよね?」
「早く戻ってきてね」
しぶしぶといった感じで手を離す。
「わかったよ。
すぐ作っちゃうからね」
そう言い残して、俺はキッチンへと戻る。
瑠璃華の朝食メニュー変更だ。
昨夜の残りご飯あるから、卵雑炊作ろう。
急いで雑炊を作って瑠璃華のところに行ったが寝ていた。
例の感染症が流行った時に買った、非接触型の体温計を持って来て熱を計ると38.3℃あった。
これは頭がボーっとするわけだ。
寝ているのを起こすわけにもいかないので、俺は瑠璃華を抱っこして、ベッドへと連れて行く。
ソファーで寝てたら、治るものも治らないだろう。
起こさないように部屋を出て時計を見ると、まだ7時半だった。
この時間なら、電話に出れるだろうとオフクロに電話をかけてみる。
トゥルルルルルルー、トゥルルルルルルー、ガチャ。
すぐに出てくれた。
「望だけど今大丈夫?
昨日は色々ありがとね。
それで実はさ、瑠璃華が熱出しちゃって。
今のところ、喉の痛みとか、扁桃腺が腫れてるっぽいとかはないんだけどね。
昼過ぎまで寝かして様子見て、それでも熱下がらない時は、もう一晩泊まらせるから、明日学校に休みの連絡してほしいんだ。
それと・・・」
瑠璃華をもう一泊させるかもしれない事と、明日の朝になっても下がらない場合は、保険証は瑠璃華が持っているはずだから、病院に連れて行く事。
一通りの報連相を済ませ電話を切った。




