表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/65

潜入作戦 Side瑠璃華

 今日は久しぶりにお兄ちゃんに逢えて嬉しかったです(まる)

だったはずなのに、何あの女?!

ちょっとばかり、背が低くて可愛くて、ゆるふわな柔らかそうな髪で、目が大きくて、胸まで大きい、ついでに声まで可愛いだなんて、あの女!

しかも馴れ馴れしいし!

私を妹にしたいって、それってお兄ちゃんを狙ってます宣言?!

妹は妹でも義妹の方?!

お兄ちゃんの事を、お兄ちゃんって呼んだし!

お兄ちゃんって呼んで良いのは私だけなのに!

お兄ちゃんに、自分のフォークでケーキ食べさせようとするし!

やっぱり、お兄ちゃんは私が護らないと!

でも、なかなか来ることは出来ないし・・・。

でもでも、見張ってないと、あの女なにするかわからないし・・・。


 湯船に浸かりながら、今日のことを思い返してた。

それはそうとお兄ちゃんが入ったお風呂♪

久しぶりだ♪

お兄ちゃんの暖かさに包まれてるみたいだ♪

ずっと入っていたい♪

でも、今日はお兄ちゃんが何時も寝ているベッドで寝れる♪

早く出てベッドでゆっくりするのも良いかもしれない♪


 お風呂から出て、部屋に入っても色々と興奮が収まらない。

あの女の事。

そしてお兄ちゃんと二人きりの一夜。

あぁ、ヤバい。

落ち着かないと・・・。

お兄ちゃんのベットにうつ伏せ寝になり、枕に顔を埋めて深呼吸をする。

あぁ、お兄ちゃんの匂い♪

でもなんか、ずっと吸ってたら薄くなってきた気がする。

直接お兄ちゃんに抱きついて、猫吸いのように吸いたい。

何かいい方法ないかな?


 取り敢えず、トイレに行ってこようと立ち上がった瞬間思いつく。

そうだ、寝ぼけたふりしてお兄ちゃんの布団に潜り込もう!


 そうと決まれば早速行動だ。

まずはゆっくりとトイレに向かおう。

出来るだけ不規則に寝ぼけた感じで歩きだす。

お兄ちゃんの部屋の電気も確認。

ドアの隙間から明かりは漏れてないから寝ていると思う。


 トイレから出たあと、ゆっくりとお兄ちゃん寝てるの部屋へ向かう。

と言っても、トイレの前の部屋なので、距離にして数歩。

心臓がうるさいくらいドキドキしてる。

ヤバい。

寝ぼけたふりは出来ても、近くに行ったら心音で起きてるのバレそう。

止める?

いや、そんな選択肢はもうない。


 ゆっくりとドアを開け、おぼつかない足取りで歩き、お兄ちゃんのすぐ隣で横になる。

そして、布団の中にもぞもぞした動きで潜入。

すぐに寝てしまった風を装い、ゆっくり呼吸をする。

お兄ちゃんの匂い♪

サイコー♪


 起こしてしまったのか、お兄ちゃんが寝返りをうち、こちらを向く気配がする。

しばらく何も動きがなかったので、寝ているのかと思ったが、


「いつになったら反抗期終わるのかな?」


 そんな呟きと同時に、私の頭を撫で始める。


 ふぉぉぉ〜。

久しぶりの撫で撫でいただきました!


 ごめんね、お兄ちゃん。

反抗期じゃないんだよ。

本当は素直になりたいんだよ。

でもでも、私の本心を知ったお兄ちゃんに嫌われたくないんだよ。

それも一種の反抗期なのかな?


「んん・・・」


 ずっと優しく撫でてくれるお兄ちゃん♪

気持ちよくて少し声が出てしまった。

ごまかすように身動ぎし、ついでに大胆にお兄ちゃんに抱きついて胸元に顔を埋めて(うずめて)みた。

一瞬、撫でる手が止まったので、起きてるの気づかれたかな? と思ったけど、すぐにまた撫でてくれた。

ゆっくり、寝息を意識しながら、お兄ちゃんの匂いを嗅いでいた。

一緒に寝てた頃を思い出していたら、段々と意識が遠くなっていった。


「おやすみ、瑠璃華(るりか)


 お兄ちゃんの優しい声が聞こえる。

お兄ちゃん・・・。

本当は大好きだよ・・・。


「お兄ちゃん・・・」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ