潜入作戦 Side瑠璃華
今日は久しぶりにお兄ちゃんに逢えて嬉しかったです。
だったはずなのに、何あの女?!
ちょっとばかり、背が低くて可愛くて、ゆるふわな柔らかそうな髪で、目が大きくて、胸まで大きい、ついでに声まで可愛いだなんて、あの女!
しかも馴れ馴れしいし!
私を妹にしたいって、それってお兄ちゃんを狙ってます宣言?!
妹は妹でも義妹の方?!
お兄ちゃんの事を、お兄ちゃんって呼んだし!
お兄ちゃんって呼んで良いのは私だけなのに!
お兄ちゃんに、自分のフォークでケーキ食べさせようとするし!
やっぱり、お兄ちゃんは私が護らないと!
でも、なかなか来ることは出来ないし・・・。
でもでも、見張ってないと、あの女なにするかわからないし・・・。
湯船に浸かりながら、今日のことを思い返してた。
それはそうとお兄ちゃんが入ったお風呂♪
久しぶりだ♪
お兄ちゃんの暖かさに包まれてるみたいだ♪
ずっと入っていたい♪
でも、今日はお兄ちゃんが何時も寝ているベッドで寝れる♪
早く出てベッドでゆっくりするのも良いかもしれない♪
お風呂から出て、部屋に入っても色々と興奮が収まらない。
あの女の事。
そしてお兄ちゃんと二人きりの一夜。
あぁ、ヤバい。
落ち着かないと・・・。
お兄ちゃんのベットにうつ伏せ寝になり、枕に顔を埋めて深呼吸をする。
あぁ、お兄ちゃんの匂い♪
でもなんか、ずっと吸ってたら薄くなってきた気がする。
直接お兄ちゃんに抱きついて、猫吸いのように吸いたい。
何かいい方法ないかな?
取り敢えず、トイレに行ってこようと立ち上がった瞬間思いつく。
そうだ、寝ぼけたふりしてお兄ちゃんの布団に潜り込もう!
そうと決まれば早速行動だ。
まずはゆっくりとトイレに向かおう。
出来るだけ不規則に寝ぼけた感じで歩きだす。
お兄ちゃんの部屋の電気も確認。
ドアの隙間から明かりは漏れてないから寝ていると思う。
トイレから出たあと、ゆっくりとお兄ちゃん寝てるの部屋へ向かう。
と言っても、トイレの前の部屋なので、距離にして数歩。
心臓がうるさいくらいドキドキしてる。
ヤバい。
寝ぼけたふりは出来ても、近くに行ったら心音で起きてるのバレそう。
止める?
いや、そんな選択肢はもうない。
ゆっくりとドアを開け、おぼつかない足取りで歩き、お兄ちゃんのすぐ隣で横になる。
そして、布団の中にもぞもぞした動きで潜入。
すぐに寝てしまった風を装い、ゆっくり呼吸をする。
お兄ちゃんの匂い♪
サイコー♪
起こしてしまったのか、お兄ちゃんが寝返りをうち、こちらを向く気配がする。
しばらく何も動きがなかったので、寝ているのかと思ったが、
「いつになったら反抗期終わるのかな?」
そんな呟きと同時に、私の頭を撫で始める。
ふぉぉぉ〜。
久しぶりの撫で撫でいただきました!
ごめんね、お兄ちゃん。
反抗期じゃないんだよ。
本当は素直になりたいんだよ。
でもでも、私の本心を知ったお兄ちゃんに嫌われたくないんだよ。
それも一種の反抗期なのかな?
「んん・・・」
ずっと優しく撫でてくれるお兄ちゃん♪
気持ちよくて少し声が出てしまった。
ごまかすように身動ぎし、ついでに大胆にお兄ちゃんに抱きついて胸元に顔を埋めてみた。
一瞬、撫でる手が止まったので、起きてるの気づかれたかな? と思ったけど、すぐにまた撫でてくれた。
ゆっくり、寝息を意識しながら、お兄ちゃんの匂いを嗅いでいた。
一緒に寝てた頃を思い出していたら、段々と意識が遠くなっていった。
「おやすみ、瑠璃華」
お兄ちゃんの優しい声が聞こえる。
お兄ちゃん・・・。
本当は大好きだよ・・・。
「お兄ちゃん・・・」




