可愛かった妹ちゃん Side希望
今日は早川さんとの食事会。
用事を早めに済ませ、外出から帰ってくると、早川さんの部屋のドアが開いているのが見えた。
ドアが邪魔で良く見えないけど、誰か女性と話をしているようだ。
会話は良く聞こえないが、
「早く入れて」
と言う声が聞こえると、女性は中には入っていった。
いったい誰だろう?
まさか彼女だろうか?
いや、今日は私との約束があるのだ。
たとえ彼女だとしても予定を入れるとは思えない。
じゃぁ、元カノとかが復縁を迫りにアポ無し突撃してきたのだろうか?
いや、元カノでなくて、今カノでもアポ無しで来た可能性もあり得る。
気になる。
まぁ彼女が居ても、私は彼の娘か妹ポジションにつければ良いのだけど、普通の女性は嫌がるだろうな。
それはさておき、どうしようかな?
今度盗聴器でも仕掛けてみようかな。
でも、さすがにそれはやり過ぎかな?
色々悩んだけれど良い方法が思いつかなかったので、正攻法でいくことにした。
ピンポ〜ン
そう、彼の部屋に突撃することにしたのだ。
「はぁ〜い」
部屋の中から女性の返事が聞こえる。
ガチャ
ドアが開き、中から可愛い女性と言うより、可愛い女の子? が出てきた。
「こんにちは。
望さん、いらっしゃいます?」
女の子は眉を寄せ、部屋の中に小走りに戻って行った。
程なく早川さんが出てくる。
「スミマセン。
何かお手伝い出来ることないかと思って、少し早く来てしまいました。
お客さん来てたみたいですけど、大丈夫でしたか?」
嘘をつく。
「実は、連絡も無しに急に妹が遊びに来まして。
取り敢えず、立ち話もなんですし、お上がり下さい」
あの女の子は、どうやら妹さんだったようだ。
中に招かれ入ると、リビングに妹さんがいた。
私のことを睨んでくる。
「瑠璃華、この人は隣に住んでる、望月希望さん」
「なんでお隣さんが、兄貴の部屋に来るの?」
早川さん・・・、妹ちゃんと名字同じだから望さんの方が良いかな? が、私を紹介する。
が、警戒はさらに強くなる。
「少し前に、望さんに助けてもらって、それから色々と良くしてもらってるんです。
瑠璃華ちゃんの事は、望さんから聞いてて、会えて嬉しいです。」
私の言葉に、瑠璃華ちゃんが望くんを睨みむ。
「望さん、瑠璃華ちゃんの事、凄く可愛い、妹だって言ってて。」
ちょっと嬉しそうな顔をした。
この娘、もしかして、
「会ってみると、本当に凄く可愛くてビックリしました。
私、妹欲しかったんですよね。
ね、瑠璃華ちゃん。
試しに私のこと、お姉ちゃんって呼んでみてくれないかな?」
「別に、私はお姉ちゃん欲しくないので呼びません」
突き放すような返事が来る。
「残念。
でも、その気になったら、何時でも希望お姉ちゃんって呼んでね」
瑠璃華ちゃんは、フンって感じで、飲み物を持ってソファーに座った。
望さんはキッチンに向かいながら、私に席を勧め、飲み物を聞いてくれる。
「私もお茶もらって良いですか?
それと、望月じゃなくて、良かったら下の名前で呼んでください。
私も妹ちゃんと一緒にならないように、望さんって呼ばせてもらうので」
「わかりました。
えっと、それじゃあ希望さんって呼ばせてもらいますね」
「希望と、呼び捨てでも良いんですよ。
でもそう呼ばれると、何だか望さんの妹になったみたいですね。
お兄ちゃん♪」
私がそう言うと後ろから、
ドンッ!
と言う大きな音がした。
見ると、瑠璃華ちゃんが不機嫌そうな顔で、こちらを睨んでた。
「お腹空いた!
ご飯まだ!?」
言葉は望さんに向かってるが、視線は私を向いている。
「ごめんごめん。
すぐに作るから」
望さんは、自分が睨まれてると思ってるのだろう。
すぐに料理を作り始める。
瑠璃華ちゃん、望さんのことが好きなのね。
私に妹のポジションと、お兄ちゃん取られると思ってるみたい。
嫉妬してて可愛い♪
でも、望さんは嫌われてると思ってるみたいだ。
昔読んだラノベで言うところの、ツンデレちゃんなのだろう。
望さんの話では、デレがないみたいだから仕方ないのかもしれないけど。
瑠璃華ちゃんが、望さんの事を本当に嫌いだったら、妹の座を奪おうと思っただけど、どうやら本当は好きみたいだから、予定変更で3兄妹の真ん中のポジションか、望さんの娘のポジションを狙おうかな♪
でも、瑠璃華ちゃん可愛いから、やっぱりお姉ちゃんって呼んでほしいな。
どうにかして、望さんの娘で、瑠璃華ちゃんのお姉ちゃんのポジションになれないかな〜♪
その後も、私が望さんにデザートを食べさせようとすると、嫉妬と対抗心からか瑠璃華ちゃんも食べさせようとするし、本当に可愛かった♪




