長かった1日
希望さんを見送ったあと、俺はお風呂のお湯はりをしたあと、食器などの後片付けを始めた。
瑠璃華は、ソファーで横になってスマホをいじってる。
そう言えば、瑠璃華の寝る場所はどうするか。
あの日以降、もしかしたらまた希望さんが部屋に泊まることがあるかもと、淡い期待を胸にお客様布団は買ってあるのだが、例え妹とは言え仕事部屋には入れたくなかった。
色々と未公開情報などの、いわゆる社外秘みたいなモノが多くあるのだ。
だから、リビングに布団を敷くか、俺のベッドで寝てもらって、俺が仕事部屋で寝るか。
後で聞いてみよう。
寝る前の心配より、まずはお風呂に入れないとだ。
「瑠璃華、そろそろお湯はり終わるから先に入ったらどうだ?」
相変わらず、ソファーで横になってる瑠璃華に話しかける。
「今やってることあるから後で良い」
スマホから目を離さずに言う。
きっとゲームでもしてるのだろう。
「わかったよ。
じゃあ片付け終わったら先に入ってくるからね」
聞いてるんだか聞いてないんだか返事はない。
すぐに片付けも終わり、部屋から着替えと、瑠璃華の分のバスタオルを持って脱衣所に行く。
が、その前に、
「瑠璃華。
寝る場所なんだけど、ここに布団敷いて寝るか、俺のベッドで寝るか、どっちが良い?」
瑠璃華は、顔だけこちらを向け、
「もう一つの部屋は?」
と聞いてくる。
「あの部屋は仕事部屋にしてて、色々社外秘みたいなのあるから、布団で寝るならここかな?
瑠璃華がベッドで寝るなら、俺は仕事部屋に布団敷いて寝るけど」
瑠璃華は少し考えてから、
「じゃあ、仕方ないから兄貴のベッドで良い。
床が硬いのは嫌だし」
「わかったよ。
じゃあ、俺は風呂入ってくるね」
俺のベッドを選んだのはちょっと意外だったが、確かに硬いとこで寝るのは身体が痛くなるな。
一応、マットレスも買ってはあるが、ベッドに比べるとやはり身体への負担は大きい。
風呂に入りながら、最近カバーも洗ったし臭くは無いだろう。
とか、
一応、消臭剤ふったほうが良いのかな?
とか、色々考えてしまった。
自分の匂いは、自分ではわからないしね。
考えた結果、そこまで気を使う必要ないかと結論づけ、考えに区切りもついた事だしと風呂を出る。
瑠璃華は、風呂に行く前と同じ格好でスマホをいじってた。
寝てなくて良かった。
「瑠璃華、風呂空いたよ。
冷めないうちに入っちゃいな」
「ん、わかった」
最近の中では素直に返事をし、風呂場に向かう。
「あ、歯ブラシ開けてないの置いてあるから、それを使ってね。
じゃあ、俺は部屋に行って寝るから。
明日は、朝起こした方が良いかな?」
「自分で起きるからいい」
そう言って脱衣所に入っていった。
「それじゃあ、おやすみ」
脱衣所に消えてく瑠璃華に声をかけ、寝室のクローゼットからお客様布団を取り出し、仕事部屋へと運んでいった。




