いざ実食!
まずは山盛りのカレーと見つめ合う。
何処から崩そうか。
全がけでなく、ハーフ&ハーフなので、取り敢えず手前から攻略するか。
ふと前を見ると、希望さんが、こちらを見ている。
真剣な目をしている。
俺が食べるのを待ってるみたいだ。
そんなに見られると緊張してしまう。
待たせるのも悪いので、取り急ぎ一口食べる。
「んっ。
スゴイ美味しいです♪
辛さも、ルーの硬さも俺好みです♪」
俺がそう言うと、希望さんは、笑顔になり、
「良かったぁ♪
あまり料理しないので、心配してたんですよ」
「いやいや、ホント凄い美味しいですよ♪」
俺は勢いよく食べ続ける。
美味しいからと言うのもあるけど、少しでも食べるのを止めると満腹感が押し寄せて、食べ切れなくなりそうだからだ。
行儀は良くないとは思うけど。
そんな俺を希望さんは、ニコニコしながら眺めてる。
どうやら行儀に関してはセーフらしい。
良かった。
しかし、かなり恥ずかしい。
そして、彼女はさっきから眺めてるだけで、食べてる様子がない。
「全然食べてないんじゃないですか?」
「夢中で食べてくれるの見たら、嬉しくなっちゃって」
嬉しいと言う割には、少し悲しそうな顔をしてる気がする。
そして一口食べてから、
「うん、上手く出来きてる」
そう言った彼女の顔は、間違いなく微笑んでた。
さっき表情は、錯覚か見える角度の問題だったのだろう。
そう結論付けた俺は、また食べ始める。
残り3分の1、お腹は7分目。
ギリギリいけるか?
頑張れ! 俺のお腹!
激しい戦いだった。
死闘と言っても過言ではないだろう。
それでも無事に勝利し、手を合わせ、
「ご馳走様でした」
腰から曲げたら苦しかった。
ベルト緩めたいけど、さすがに目の前でそんなセクハラ紛いな事は出来ない。
「美味しかったから、食べ過ぎちゃいました」
美味しかった事も、食べ過ぎた事も間違ってはいない。
しかし苦しい。
「やっぱり男の人は、いっぱい食べますね」
笑顔の希望さん。
この笑顔の為なら、食べ過ぎて苦しいくらい何ともない。
「いやはや、がっつくような食べ方でスミマセン」
「お昼抜いたって言ってたし、よっぽどお腹空いてたんだね〜」
「お腹空いてるのもあるかもしれないですが、1番の理由は、また食べたいくらい美味しかったからですよ」
俺がそう言うと、希望さんは、一瞬目を見開いたあと、細めてちょっと寂しそうに微笑んだ。
だいぶストックが無くなってきました。
でも、まだ毎日更新目指して頑張ります。




