再びデザートを求めて
俺は駅前にある小洒落たケーキ屋に来た。
ここは、手作りケーキだけでなく、パンも作って売っているのだ。
たまに美味しいパンが食べたくなると買いに来る。
が、ケーキは買ったことがない。
まぁ、パンが美味しいのだから、きっとケーキも美味しいのだろう。
いつ来ても混んでるしね。
しかし、改めて見ると色んなケーキが売ってるもんだ。
希望さんは、どんなケーキが好みなのだろう?
クリーム系? チョコ系? タルト系も捨てがたい。
悩む。
ホント、悩んでる時間はないんだけど悩む。
甘いものが嫌いと言うことはないだろう。
この前の玉子焼きは甘い方を多く食べてたし、食後にシュークリームも食べてた。
だからこそ悩む。
ここは俺のセンスが試される。
よし決めた!
「スミマセン。
これとこれ、1つずつお願いします」
悩んだすえに俺が買ったのは、当店人気No.1とNo.2と書かれたケーキだった。
悲しいけど、俺のセンスより確かだからね。
会計を済ませケーキを受け取り、時計を見ると思った以上に時間が経ってた。
ヤバい。
早く帰らねば。
急ぎ自転車まで戻り、ケーキが入ってる箱をカゴに入れ走り出そうとする。
が、ふと思う。
これって、走ってる時に段差とかの振動でケーキ崩れるんじゃないか?
しまった。
何かクッションになるようなものを持ってくるべきだったか。
少し悩んだが、左の小指と薬指を箱の持ち手を掴み、左手はハンドルに乗せる。
一応、人差し指と中指はブレーキにそえておく。
これで片手運転にはならないだろう。
怒られないとは思うが、どうかお巡りさんに見つかりませんように。
良い子はマネしちゃダメだそ。




