お隣さんからレベルアップ
営業時間になったので、管理会社に電話すると、事情が事情だからかすぐに来てくれる事になった。
良かった。
管理会社が来るまで他愛のない話をしてた。
ほどなく担当の人が来て、鍵を開けてもらい希望さんは部屋へと戻って行った。
バタバタしたけど楽しい時間だった。
昨日の夕方までは、ただのお隣さんだったが、今は顔見知りのお隣さんくらいにはレベルアップしたかな?
これを気に、少しずつ好感度レベルをアップさせ、まずはお友達に!
俺も部屋に入り、リビングに戻ると目を瞑り拳を握りしめ、頑張るぞという意味を込めガッツポーズを取った。
ピンポ~ン
(うおっ! ビックリした!
せっかく人が余韻に浸ってたのに)
「はいは〜い。
今出ますよ〜」
玄関に戻りドアを開けると、そこには部屋に戻ったはずの希望さんがいた。
ちゃんと着替えている。
私服可愛い。
何か忘れ物だもしたのかな? と思ったが全部持って帰ったはずだ。
「あ、あの、良かったら連絡先交換してもらえませんか?」
上目遣いで俺を見つめる希望さん。
その可愛さという破壊力に、心臓が鷲掴みされたみたいに痛み、思わず左胸を押さえる。
(連絡先。
連絡先?
希望さんの連絡先!?
うおぉぉ、そんなの嬉しすぎる!)
「ありがとうございます!
是非よろしくお願いします!」
自分でも思ってみなかったくらいの大声が出た。
少しビクッとして目を見開く希望さん。
でも、すぐに笑顔になり、
「良かったぁ。
何か困ったことがあったら、すぐに連絡くださいね。
今度は私が助ける番ですから」
天使がそこにいた。
「いえいえ、天使さんこそ、また何か困ったことがあったら、何時でも連絡ください。
在宅で仕事してるので、仕事なんか放ったらかして駆けつけますので。
あ、もちろん困った時だけでなく雑談とかでも全然OKです!」
「そうなんですね。
じゃあ、また寂しくなった時は、メッセージ送っちゃおうかな?」
天使じゃなかった。
女神だった。
「あ、それと、お借りしたシャツは洗濯してお返ししますね」
いやいやいや、出来れば洗濯なんかしないで返して欲しい。
女神様が一晩着たシャツ。
プライスレス。
「そのままでも大丈夫ですよ。
ちょうど今から洗濯しますので」
ダメ元で言ってみる。
今から洗濯するのは本当だが、一緒に洗うかどうかはわからない。
この童貞ヤバい。
「そ、それはちょっと恥ずかしいです。
それに、また・・・」
やはりダメか。
しかし、また、何だろう?
「シャツお返しする時にでも、今度は私が何かご馳走しますね。
では、今日はこれで失礼しますね」
そう言って魅せる笑顔が眩しい。
しかし、ケーキとか買ってきてオヤツご一緒に、
とかなら良いが、女神様の手料理だったら、俺は嬉死するかもしれない。
だがそれもまた本望だ。
生涯に一片の悔い無しってやつだ。
・・・ゴメン嘘ついた。
やっぱ童貞は捨てたいです。
名残惜しいが部屋に戻った後、洗濯物の中に女神様が使ったバスタオルを見つけ、おのれの欲望と全力で戦うことになるのだった。
勝敗は秘密だ。
ちなみに、見つけたのが昼過ぎで葛藤してる間に夕方になったとだけ言っておこう。
そしてさらにもう一つ、その日の夜ベッドに入ろうとしたら、ラスボスが待っていた。
良い匂いがしたとだけ記載しておく。
べ、別に枕に顔を埋めて深呼吸なんてしてないんだからね!
・・・嘘つきました。
しました。
大きく1回・・・2回だっけかな?
・・・スミマセン、また嘘つきました。
いつもは仰向けで寝るのに、その日はうつ伏せで寝ました・・・。
ここから先の展開は、まだ考えてません。
最初の構想では、お隣さんはヤンデレ? メンヘラ? 系で考えてましたが・・・。
はてさて、どうなることやら。
取り敢えず、しばらくは毎日更新予定です




