お隣さん
最近、隣の空き部屋に女性が引っ越してきた。
どうやら一人暮らしのようだが、2LDKで一人暮らしとは少し広い気もする。
まぁ、モノが多いだけかもしれないし、狭いのが嫌いなだけかもしれない。
都心からはそれなりに離れた場所にあるので、この広さでもそれなりに安く借りれる。
ちなみに俺はと言うと、在宅で仕事をしてるので、一室は仕事部屋、もう一室は寝室兼趣味部屋になっている。
今は俺のことは置いといて、隣の越してきた女性、挨拶にきてくれたのだが、正直かなり可愛かった。
低めの身長、肩より少し長いくらいのウェーブがかった髪、身長の低さに反する大きなむ・・・いや、多くは言うまい。
俺の好みにどストライクだった。
一目惚れと言っても過言ではない。
それが一週間ちょっと前の出来事だ。
が、それ以来一度も会っていない。
残念。
在宅ワークと言うこともあって、外出するのは朝のゴミ出しと、夕方食料を買いに行く時だけだ。
多分普通に仕事しているだろう彼女とは、生活リズムが違うらしい。
ピンポ~ン
チャイムが鳴る。
ドアを開けると隣人さんが立っていた。
『おかず作りすぎたので良かったら食べてください。』
そんなベタな妄想で本が一冊書けそうだ。
ただ恋愛経験皆無なので、ベタすぎる内容だから面白くもないだろうが。
ちなみに俺は小説家だ。
高校2年生のときに応募した小説が大賞を取り書籍化された。
しばらくはあまり売れず収入も大したことなかったが、コミカライズされた辺りから売上が伸び、ついには少し前にアニメ化もされた。
現在も放送中だ。
先も書いたが恋愛経験ないので、恋愛小説は書けない。
なにせ彼女いない歴=年齢だからね。
経験なくてもファンタジー系は書けるらしい・・・。
世の中のファンタジー小説書いている人で、異世界や、パラレルワールド行った人はいないだろう・・・多分。
ちなみに俺の書くファンタジー小説は、異世界ファンタジーではなく、日本を舞台にした現代ファンタジーになる。
この連載が終わったら、次は純粋な異世界ファンタジーを書いてみたい。
まぁ、そんなこんなで、おかげさまで収入も上がり、それを機に実家を出て独り暮らしを始めた。
そう、俺も引っ越してきてまだ1ヶ月くらいしか経ってないのだ。
俺のことは置いといてと言っておいて、話が俺のことに脱線しまくったが、そんな接点のなかったお隣さんと、ふとしたキッカケで仲良くなることが出来たのだが・・・。
憧れは憧れのまま、一目惚れの淡い恋心は淡いまま。
世の中には知らない方が幸せなことがあるということを実感する事になる。