第48話『国王の力を思い知れ!』
「あれが真の姿なの?」
「そうみたいですね」
「あれは舐められるよね」
「さっきのおじさんより酷いですね」
2人は笑いを堪えるので精一杯だ。
ザンッ――――
だが、真の姿となった閻魔は速さも力も桁違いだ。
閻魔が振り切った剣が国王の左腕を吹き飛ばす。
左腕から大量の血を流しながら、国王は残った右手で閻魔を壁に叩きつける。
「まずは左腕」
叩きつけられながらも閻魔は笑っている。
「もういっちょ」
今度は右腕を狙い攻めてくる。
国王は必死に抵抗するも隙をつかれ右腕も斬られてしまう。
「ギャハハハハ!!もう何もできねぇな!みにくいぜフリーグン様よぉ!」
閻魔は高笑いする。
「ジュリア!国王様が!助けに行かないと!」
「いいえ、大丈夫です。父ならまだやれます!」
構えて突っ込もうとした俺をジュリアは止める。
「でも――――」
「信じてください!私の父ですから」
ジュリアの目は真剣だ。
両腕を失った国王はバランスを崩しひざまずく。
「これで最後だ!やっと、やっとこの国を完全に支配できる!」
閻魔は天を仰ぎニヤリと笑う。
「覚悟しろよ、フリーグン!あの世で俺の国を見届けるがいい!」
閻魔の剣は国王の腹部を貫く。
「ギャハハ!勝った!勝ったぞぉ!これでこの世界は俺の物だぁ!」
国王の死を喜ぶ閻魔。
ジャララララ――――
次の瞬間、国王から光の鎖の様な物が幾つも飛び出し閻魔を壁に打ちつけ拘束する。
「あ!?なんだよこれ!!」
閻魔が鎖を解こうとするがびくともしない。
「これも見破れないなんて、お主も衰えたのぉ」
先程貫いた国王の隣にもう1人の国王が姿を現す。
「は!?貴様は俺が――――」
「これはワシのコピーじゃ。お主がコイツを倒すとそのトラップが発動する仕掛けになっておった。ワシはお主がこの世界を支配しようと企んだ1000年前からこのコピーを動かしておった」
「なんだよ!じゃあ俺が呪いをかけたのも......」
「そうじゃよ、コピーじゃ......気にならなかったかのぉ、ワシが呪いをかけられたのに、王女ジュリアが誕生していることを......」
――――たしかに国王様が呪いをかけられた後にジュリアが誕生してるけど......この世界ならアリなのかと思ってた......
「ジュリアは知ってたの?」
「えぇ。父はずっといませんでしたけどね......閻魔大王を倒すためにこもって修行をしてましたから」
「ヘビちゃんが偽物の国王様ってことも?」
「はい。なので『ヘビちゃん』って名前を付けましたし、私には幼い頃からいる兄妹みたいなものでした」
――――そっか。普通なら父親に『ヘビちゃん』なんて付けないもんなぁ......
納得してしまった。
「お主を倒すために......この世界を取り戻すために長年修行をしてきた。この一発にワシの全てを賭ける」
『天地天明』
天と地からの無数の矢が閻魔を貫く。
「くそっ。俺が......俺が国王に......なる......んだ。この世界を......支配......するんだ......」
閻魔は矢が貫いた穴が幾つも開き、ボロボロの体でもう動けない状態だ。
「ほぉ、まだ話す力が残っているとは......修行が足んかったかのぉ」
国王は閻魔にとどめを刺すため近づく。
「......なんてなっ!」
黒いオーラに包まれた閻魔はボロボロの身体も回復し再び国王の前に立ちはだかる。
「ワシの攻撃が......」
「そうだな!効かなかったなぁ!1000年をムダにしたなぁ!どうだ?悔しいかぁ!?」
閻魔は高笑いしながら国王へ近づく。
「なぁ、フリーグンさんよぉ。俺が剣を持ってる理由、わかるかぁ?」
閻魔は両手に持っていた剣を放り投げる。
ドカンッ――――
放り投げられた剣は落ちると同時に地面に大きな穴を開ける。
2人の顔はもう隙間の無いくらいだ。
「手加減するためだよ!!」
閻魔が触れた国王の身体は半身が吹き飛び、その場に倒れる。
「父上!」
「国王様!」
「これも見破れないなんて、貴様もザコだなぁ!」
魔王討伐数ー0体
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
初投稿作品になりますが毎日投稿を頑張りますので、
続きが気になる方、バトル系・異世界系がお好きな方はぜひ明日の投稿をお楽しみに!




