第42話『ずっと一緒だよ』
吹き飛ばされた勢いでミルアは風神の能力が解けてしまった。
「くそっ。やるじゃん、戦ったことなかったからそんなに強くなってるの知らなかったよ......」
カルアの成長に感心する。
――――ただ、どうする?勝ち目なしか?......ん?
ミルアは何かが落ちた音に反応した。
――――これは国王様から貰ったやつ。たしか母ちゃんのやつって......
さっきの衝撃だろうか石が欠け中のピンク色の宝石がだいぶ見えている。
――――母ちゃんの形見。大事に持っておかなきゃ。
ミルアは石をポケットにしまい戦闘を再開する。
『真・旋風神』
先程の巨大な風神とは違う。ミルアを覆う風の能力は圧縮され、ミルア自身が風神になったようだ。
ミルアは深呼吸をし冷静さを取り戻す。
カルアは幾つもの木の根を操りミルアに攻撃する。しかし、根はミルアに触れる度に切断される。
「僕に触れるのは無理だよ。この風はかまいたち、触れる物を粉々に斬るのさ。カルアには見せたことなかったよね、これ。僕だって修行してたんだよ......カルアに負けないように」
木の根が効かないと判断したカルアは自身の拳で攻撃する。しかし、ミルアは瞬間移動をしわざと当たらない様にする。
「やめてくれよ。カルアの腕まで吹き飛んじゃうじゃないか」
しかし、その声は届かずカルアはミルアを襲ってくる。
――――この状態で居られるのも限られてるし、カルアを元に戻せないし、どうしよう......
ミルアはカルアの攻撃を回避しながら考えた。
グオオォォォォ!!――――
なかなか攻撃が当たらないことにイラついたのか、カルアは雄叫びを上げる。
次の瞬間、カルアの素早い拳がミルアを直撃する。
その拳には堅い根が付いており、ミルアへの攻撃と同時に弾け飛ぶ。
壁に激突したミルアは風神状態が解ける。
「僕とカルアの拳の間にクッションか......盲点だったな」
倒れたミルアに握るように力を加えた。
「うあああぁぁ!!」余りの力強さにミルアは叫ぶ。
腕や足の骨は折れているだろう。ミルアは最後の力を振り絞る。
「カルアはそれでいいの?......僕、いなくなっちゃうよ?約束したじゃん。僕たちは2人で1人、ずっと一緒。死ぬ時も一緒......ってさ」
パキッ――――
その時、何かの音と共にミルアの身体からピンク色の光出て部屋中を覆い尽くす。
――――――――――――――――
「ミルア!」元気よく手を振るカルア。
「あっ!どこ行ってたの?カルア」
「ちょっと隣の村まで......」
「もう、心配したじゃん。村のみんなにも探して貰ってたんだよ?」
「ごめん」
村の小さな池の近くにいたのは幼い頃の2人だ。
「あら、カルアちゃんいたのね」
「カルアのヤツ、勝手に村抜け出してたんだよ」
「まぁまぁ、そんな怒らないで。見つかったんだからいいじゃない。怪我もしてなさそうだし」
村のおばちゃんになだめられるミルア。
「カルア約束して。これからはずっと一緒。死ぬ時まで一緒。お兄ちゃんについて来い」
「お兄ちゃんって、双子なんだからそんな変わらないじゃん!」
「いいの!ほら約束!」
ミルアはカルアに強引に指切りをさせる。
「そうね。カルアちゃんもミルアちゃんもお互いがいればなんでもできそうね。いつかはこの世界を救うヒーローになったりして......ね?」
2人は『ヒーロー』という言葉に目がキラキラだ。
――――ふふっ。そんなこともあったなぁ......
魔王討伐数ー0体
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
初投稿作品になりますが毎日投稿を頑張りますので、
続きが気になる方、バトル系・異世界系がお好きな方はぜひ明日の投稿をお楽しみに!




