第03話『少女に転生しても中身はおっさんのままでした』
「それで、アシュリー。さっきの一撃ですけど、やっぱり能力のコントロールができてないです」
「さっきのって、魔王を斬ったやつ?見てたのか?」
「はい。あそこの岩場の上から......」
遠くの岩場の上を指して言った。
「あんな所から......よく間に合ったな」
この村から岩場までは2kmはありそうだ。
「修行はしてますからね。アシュリーも修行をすれば能力を自在にコントロールできるようになります。ほら今のアシュリーはこの村唯一の森を消してしまうほどの力を持っているんですから......」
ジュリアは俺が消した森を指差しながらいった。よく見ると地面が濡れている。
――――これが俺の水属性の能力なのか?
「さぁ、これからはアシュリーの修行の時間です。
これからはビシバシやっていきますからねぇ......あっ、大丈夫です。私、これでも現世では剣道で全国大会出たことあるんで......」
ジュリアはニヤニヤしながら言った。
何が大丈夫なのかはわからないが嫌な予感がする。今までのことを倍返しにされそうだ。
......アシュリーの予感は的中した。
「じゃあまず、あそこにいる魔王達を倒してきてください」
アシュリーが振り返ると魔王がこちらを睨んでいた。
1体は余裕だったが、複数は体力がキツい。(+5体)
――――体は少女なのに体力はおっさんか......これが転生の闇か?
それから半年たった......
毎日修行の日々が続き、剣術にもだいぶ慣れてきた。
ジュリアの修行は予想通りスパルタだったが、能力もだいぶコントロールもできるようになった。これもジュリアのお陰だ。
――――ハァッ、ハァッ、ハァッ
汗はダラダラ、服はボロボロ。手足はブルブル。でもだいぶ凛々しい顔つきになってきたと思う。
あの日から今日までに嫌なほど魔王を倒した。
(+297体)
「じゃあ、そこの3体で終わりにしましょうか」
ジュリアが岩の上から見守りながら言った。
その立ち姿はもう軍隊の鬼教官だ。
だが、ジュリアも何もしていなかった訳ではない。
夜中になると外に出てくのを俺は知っていた。
魔王討伐数ー302体
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
初投稿作品になりますが毎日投稿を頑張りますので、
続きが気になる方、バトル系・異世界系がお好きな方はぜひ明日の投稿をお楽しみに!