第22話『この世界舐めてました』
それからは順調に登っていき、気付いたら19階にいた。(+4055体)
「次が最後か」
「もう19階ですもんね」
「最後にボスがいるって言ってたよね?」
「えぇいます。どんなのかは知らないですけど」
4人は恐る恐る20階への階段を登って行く。
「あ、さっきの」
20階にはさっき見た少年が立っていた。
「まさかボスってあの子供か?」
「魔王の変身の可能性はあります」
「ちょっと待ってください」
少年に駆け寄るアシュリーをジュリアが止めようとする。
「大丈夫だよ。私に任せて」
部屋の真ん中でアシュリーと少年は話す。
「ほんとに大丈夫なのか?」
「呼んでますね、行ってみましょう」
アシュリーが3人を呼ぶ。
「コータくんって言うんだって」
「コータです。よろしくお願いします」丁寧にお辞儀をする。
「この子、やっぱりママを探してたみたい。ママは上にいるんだってよ」
「かわいいですねぇ」リーアはメロメロだ。
4人は階段を登り屋上へ向かった。
空は晴れ少し曇がかかるくらい。ミラガイア城も見え、ガイア王国が一望できる。
「なぁ、あれなんなんだよ......」
リックスに言われて振り返った俺は驚愕した。
地面や空気は燻み、暗雲が立ち込めている。
村や町は廃墟と化し、逃げ惑う人々、それを追う魔王達。上空には火を吹くドラゴンも飛んでいる。
遠くには魔王城があり、周辺には雷鳴が響く。まさに『絶望』の一言だ。
「ねぇ、これって......」
俺とリックスはその場に立ち尽くす。
「えぇ。これが1000年続くこの世界の姿です。このままだとミラガイア城周辺も同じ様な状況になるまでは時間の問題なんです」
「こんなのって......なんで関係ない人々まで襲われてるの......」
「これがこの世界の実態です。魔王は日に日に増え、人々を襲い苦しみを与える。父上もこの世界を救おうとしていますが、なかなか上手くいかないのが現状です」
今までいたミラガイア城周辺とは雲泥の差。俺らはこの世界を舐めていた。
俺の目から自然と涙が流れる。
「お姉ちゃん、なんで泣いてるの?」
アシュリーに抱えられたコータは不思議に思う。
「こんな世界、私達に救えるのかなって思っちゃってさ......」
「大丈夫だよ、ママがいるもん。ママはね凄く強いんだよ。前は剣士さんだったの。」
――――剣士って、聖剣士のことか?この子の母親は聖剣士なのか?
「ママァァァ!!」
コータは上空に向かって叫んだ。すると、曇の隙間から黒く大きな影がこちらへ向かってくる。
ドガアァァァァァン――――
――――は?コイツが!?
俺らの目の前に現れたのは大きな剣を背負った巨大な魔王だった。
魔王は着地の衝撃で塔を全て崩す。
勢いで吹き飛ばされ、俺はコータを離してしまった。
「ママがいれば大丈夫。きっと助けてくれるよ」
コータは落下しながら俺達に伝える。
――――大丈夫って、相手は魔王じゃんか。魔王が俺らを助けるってことか?
なんとか雪山に着地した俺らは改めて巨大魔王と対面する。
「私の息子を助けてくれてありがとう」
――――魔王から人間の息子?意味がわからない。
「でも私はあなた達に用はないわ。あるのはそこの姫様よ」
巨大魔王は一瞬でリーアを鷲掴みにした。
「リーアッ!」
「あなた達にはこの先の世界を見せてあげるわ」
俺達はリーアを取り返しにかかるが、巨大な拳でまとめて吹き飛ばされた。
山から降ろされ地面に叩きつけられた俺らは、意識が朦朧としながら立ち上がった。
そこは先程よりも酷くどこを見ても暗く、周りの村や街はボロボロになり、あちらこちらで雷鳴が響く。ミラガイア城も魔王城の様にオーラを放つ城になっていた。
魔王討伐数ー4055体
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
初投稿作品になりますが毎日投稿を頑張りますので、
続きが気になる方、バトル系・異世界系がお好きな方はぜひ明日の投稿をお楽しみに!




