第17話『ダンジョンってワクワクしますよね』
俺達は遠回りを余儀なくされ、猛吹雪の雪山を登っていた。
「さぶいよぉ」ブルブルと震えながら雪道を進む。
「ねぇ。ジュリアのアビリティで温まりたい」
「ダメですよ。余計な体力使いたくないですもん」
「ケチ」
道中も数多くの魔王が現れ討伐した。吹雪対策のためか毛深くなった魔王達がナワバリを作り暮らしていた。(+482体)
「ねぇあの塔はなに?」頂上付近に円柱の塔が見える。
「あれは魔性の塔です。中はダンジョンの様になっていて、あそこにもたくさんの魔王が住み着いていると言われています」
「ダンジョン!?行きたいあそこ!」
ゲームヲタの俺は『ダンジョン』という言葉が大好物だ。
「え?そんな暇はないんですけど......」
「行きたい!行きたい!」
「だってこの間ヌシ魔王に負けたばっかじゃないですか......」
「修行の為に......ね?ほら、リックスも行きたいって言ってるし」
「は!?言ってな――――」急に振られたリックスは動揺する。
「行きたいよね?ね!ね!修行だよ!修行!リーアも行きたいよね!?」
――――パパの圧がすごい。これはゲーム好きがでてる......
「わかったよ。行こうジュリア」
「私も行きたいです」
リーアは意外と乗り気だ。
「仕方ないですね」
ジュリアとリックスは負けた。
「そのかわり、今度は負けないでくださいね」
ジュリアは念を押す。
「大丈夫だよ。私を誰だと思ってんの?」
「アニヲタのおっさん!」
――――美少女にそんなこと言うの酷くないですか?確かに元はおっさんだけど......
自信満々のアシュリーに2人の一撃が炸裂する。
ルンルンな前のアシュリーとリーア、面倒臭そうな後ろの2人は魔性の塔へ向かう。
「たかああぁぁぁぁぁ!!」
アシュリーとリーアは目がキラキラしている。
近くで見ると意外と高かった。頂上は遠すぎて見えていない。
「これ何階建てなんだ?」
リックスも見上げているが、首が痛そうだ。
「20階建てです。当然、上に行けば行くほど敵は強くなりますし、最上階にはボス敵なヤツも......」
まさにダンジョンだ!自分が経験する日が来るとは!
俺は物凄く興奮していた。
扉の前には門番らしき魔王が1体いるが......寝ていた。大丈夫なのか?怒られたりしないのだろうか?
そっと扉を開けて中に入った俺らを、早速魔王が出迎えてくれた。が、俺はそれどころではない。
「うわぁぁぁ!これがダンジョン!転生系によくあるやつ。で、こういう時はまず木の棒から始まって、敵を倒すごとにレベルが上がっていって、中ボス倒したら武器が手に入って......そういえばこの世界はレベルって概念は――――」
「ないですから!すぐに戦ってください!」
ちゃんと話を聞いてくれているジュリアちゃん、好き!
1階から順調に進んでいった俺たちは5階に到着した。
(+2886体)
途中にはダンジョンらしい仕掛けがたくさんあった。
スイッチを押すと大玉が転がってくる仕掛け、横から矢が発射される仕掛け、床が開いて落ちる仕掛け、炎が噴射される仕掛け。
色々あったが仕掛けを喰らったのは......俺だけだった。
5階に到着した時にはもうヘトヘト。なんで3人はノーダメージなのだろうか......
「ねぇ。なんで3人はそんなにピンピンしてるの?」
「アシュリーがドンドン先に行くから全部当たるんじゃないですか......」
――――確かに俺は突っ走って行ったけど、全部当たるほど運がないのか......
自分の運の無さに肩を落とす。
「それで、ここには何がいるんだ?」
辺りを見回すが何もいない。だだっ広い部屋なだけだ。
だが、上から石がポロポロと落ちてくる。
上を見たアシュリーが叫ぶ。
「虫ぃぃぃぃ!!」巨大なカマキリ姿の魔王が天井にへばり付いていた。
魔王討伐数ー3368体
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
初投稿作品になりますが毎日投稿を頑張りますので、
続きが気になる方、バトル系・異世界系がお好きな方はぜひ明日の投稿をお楽しみに!




