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第01話『魔王って何体いるんですか?』

我は悪魔、獣、そして魔界を収める魔族の王なり。

知恵、力ともに人間どもの何倍も有する。

 魔王が1人だけだと誰が決めた。いつ決めた。

この世界を救いたくば、我らに挑むがよい。


――――――――


「潮田くん!!ここ間違ってるよ。やり直し!」

「あ〜それ大丈夫っす」

「大丈夫じゃないんだよ!間違ってるの!」

「すいませ〜ん」


――――チッ、バツ1が......


 小さく舌打ちをして去っていく部下に、ちげぇよ。と呆れてため息をつく。


 俺の名前は近藤凍次郎。太陽フーズの営業部で部長を勤める38歳のおっさんだ。

そして、さっきの彼は潮田翼。営業部の部下だ。

 この会社に勤めて15年。数々の部下を持ったが、彼は一番手がかかる。言うこと聞かない、反抗的、そしてデカい態度。いつも散々な目に遭わされている。


 日々真面目に仕事をしている俺にも趣味がある。ゲームをすることと、特にアニメを見ることだ。

バトル系、転生系、ファンタジー系、何でも見る。

 会社では散々な目に遭わされているけど、趣味があるからこそやっていけている。


 そして。そんな俺にも1人の娘がいる。名前は近藤美亜。

17歳の高校2年生で、ずっと習っている空手と最近は彼氏もいるようで夜帰って来るのも遅い。

 反抗期真っ最中で、いつも冷たい態度を取られる。時にはアニメを見ている俺を蹴り飛ばす時も......黒帯所持者にがやっていい事かのか?

 早く反抗期過ぎてくれっ!




 ――――あぁ今日も疲れた......

俺いつもの帰り道を歩いていた。


 部活帰りの女子高生だろうか、すれ違いざまに何かを落とした。俺はそれを広い上げる。

「あっ、お嬢ちゃん落としたよ」

――――あっ、『虹色少女戦士トキメキピーススターズ』のハンカチじゃんか、欲しかったやつ。

「ありがとうございます」

受け取った女子高生は足早に去っていく。

――――いいなぁ、俺、仕事で買えなかったんだよなぁ。仕事辞めてやろうかな......


 いつも通る大きな橋を肩を落としながら歩いていると前から黒服フードのランニング男が走ってきた。

 すれ違いざまに急にその男に胸ぐらを掴まれ、橋から川に落とされてしまった。


――――息ができない......死ぬのか......ゴボボボッ

 息ができなくなった俺は溺れてしまった。


 ガハァッ――――

 水から顔をだした時、俺は知らない村の池に浮いていた。とりあえず池から上がり考えた。

 

――――ここはどこだ!?

 小さな村があり、村人は突然池から人が上がって来たことに驚いている。村の近くには小さな森があり、自然豊かだ。


 俺は唖然としていたがこの展開はみたことがある。

――――えっ!?もしかして......これって転生!?


 近くにいた村人のおばさんが近寄って来た。

「お嬢ちゃん大丈夫?」

「お嬢ちゃん?......え?なんだこの身体!?なんだこの髪!?」

おばさんに言われて気付く。

水色のショートヘアーにすらっとした体型。胸も膨らんで、白い服とスカートを履いている。


 俺は、少女になっていた!!


 ここはガイア王国のスランダ村

この世界では王国軍の兵士vs魔王軍の戦争が起きているらしい。


「その剣はあなたのじゃないの?」

おばさんが近くに落ちている太刀を指差した。

これは俺のなのか?

拾ってみるとしっかりした柄とよく切れそうな太刀。

剣身は少し反った形をしている。

(さや)も鋭く尖っていて、取手が付いている。持ち運びに便利そうだ。


 そんなことを考えていると、森の奥から少年が息を切らしながら走ってきた。


「魔王が!!魔王が来たぁぁぁ!!!」


 少年の叫びながらやってきた。その声に村人も悲鳴をあげながら逃げ出す。


おばさんがこちらを向く。

「ちょっと、あなた剣士さんなんでしょ?魔王を倒してちょーだい」

「え?私がですか?私は営業部の部長でして......趣味もアニメ見るしかなくて、剣術とかはやってこな――――」

「なにを訳のわからないことを言っているの。今この村にはあなたしかいないんだから」

 背中をグイグイと押されながら、森から現れた魔王と対面する。


 獣のような顔に鋭い牙と角、肌は真っ黒、全身筋肉ムキムキ。禍々しいオーラも放っている。


 「グハハハッ!やっと村を見つけたぞ!」


 ――――本当に来たぁぁ!転生して初戦が魔王とかあることなんですか?ってかこんな小さな村まで魔王さん出向いちゃって、お城は大丈夫なんですか!?

 ――――もう、こうなったらどうにでもなれっ!

凍次郎は持っていた刀で居合斬りのマネをした。


       ザンッ、スガガーーンッ


咄嗟に目を瞑ってしまったが、目を開けてみると......


    魔王がいなくなっている!!森も!!

 

 凍次郎が刀を振った所にいた魔王と森は跡形もなく消え、地面には紫色の血が広がっていた。

 これは太刀の強さなのか、それともこの少女の強さなのか?(+1体)

 

 振り返ると村人達は歓喜の声を上げていた。


「あんた、すごく強いのね。魔王を一撃で倒すなんて。さすが剣士さん」

 村を救えたようでちょっと嬉しい。俺が魔王を倒したのか。安堵して気が抜けたようだ。


――――よかった。魔王を倒したんだ。この世界には平和が訪れ.....


  「魔王だぁぁぁ!!魔王がまた来たぁぁぁ!!」


――――えええぇぇぇぇ!!?


 村の奥から聞こえる声を疑った。

――――さっき倒したじゃないか!


 村の奥の方を見るとたくさんの魔王が走ってくる。


  ――――この世界、魔王何体いるのぉぉぉ!?


       


                  魔王討伐数ー1体


ここまで読んでくださり、ありがとうございました。


初投稿作品になりますが毎日投稿を頑張りますので、

続きが気になる方、バトル系・異世界系がお好きな方はぜひ明日の投稿をお楽しみに!

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