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眠りにつく前に  作者: メイズ
清廉なる乙女の章
21/66

少女を飛び越えて

 アステローペと私の作戦は成功を収め、私は私のままでいられることが叶った。


 ネビュラの女神となった私に、最早誰も手出しは出来ない。神に刃を向けることになる。



 私は一旦プリアード領に戻ることを許され、愛する家族と再会した。このままここにいたいけれど、私はネビュラの女神としての役割を背負うことになった。テュレイス側のネビュラ支配に貢献することになるけれど、私を人柱にした政権に背くことなど、全く痛くはない。



 思い出深きあの大聖堂にて、私は民の女神となる。


 ただのお飾りになる気はないわ。私は私のような世間への生け贄を出す世の中を許すつもりはないの。イオとエレクのような犠牲も。


 歴史は繰り返すと言うしね。人の本質は変わらないわ。いつの時代も‥‥‥


 今回の体験にて、私は少女を飛び越えて一気に大人になってしまったように感じてるの。



 使うことは無かったエレクトラの転生の薬は、お母様にお返しした。これでお母様は実家から受け継いだ秘宝『人魚の涙』を取り戻すことが出来る。


 妖精の森のエレクトラと面談を求めているけれど、今のところ叶ってはいない。



 彼女は300年越しの宿願を果たした今、何を思っているの‥‥‥?



 ネビュラ王国の王族は敗戦により、一掃された。政治のことは一介の貴地方族の娘の私には、知らぬこと。


 テュレイス帝国は主だったネビュラの王族を国外へ亡命を赦し、身分を捨てた末端の王族は市井の民へと身を落とした。


 地方の領主たちはテュレイスの皇帝に忠誠を誓うことで身分は保証され、領地を失うことは無く、損害は最小限で済んだ。不安を募らせていた領民たちは通常の暮らしに徐々に戻りそう。


 ただし、今までのネビュラは終わり、これからはテュレイス帝国の文化と融合して行くの。だけど、決してネビュラの文化を放棄するわけじゃないわ。私たちが護るべき受け継がれた文化があるもの。



 私は無事帰還出来たというのに、気分は晴れない。


 なぜなら、アステローペが行方不明になってしまったから。



 一体、あの時何が起こったの? アステローペとの最後になった会話を思い出す。



(((( あ、向こうの方で気になる気配がする。 通りの兵の列の最後の方にいる馬車の引く荷台からか。何が入ってるかちょっと見てくる )))


(((( メローペ‥‥‥俺‥‥‥ワアァァ )))



 一体あなたは何を見たの? 私はどこを探せばいいの? 




 私は上手くやったわ。 不安に押しつぶされそうになりながら。内心では震えながら。


 テュレイス兵が力任せに強引に扉を開けるから部屋が崩れるかと思った。挙げ句に本当に半壊したの。タマゴの中で叫んでしまったわ。それでも耐えた。



 私は私のままでいたかったから。


 アステローペと一緒に脱出したかったから。


 あなたをエレクトラに一目会わせてあげたかった。



 それなのに─────




 会いたい。



 私の守護の星、アステローペ‥‥‥‥







                眠りにつく前に 〜清廉なる乙女の章 〈終〉



しばらく休みます m(_ _)m

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