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アウレリアの乙女達  作者: たぬきしっぽ
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繋がる単語

 ユリアはうんうんと唸りながら本を捲っていく。今日もパトリック達と会議をしていたが中々上手くいかない。何か良い案は無いものかとユリア達は頭を捻っていた。


「オーレン家の領地内に拘るのは一回やめてはどう?」

 リリアンヌは長いまつ毛を伏せ、資料をもう見たく無いわと離した。


「しかし、領地に利をもたらすと証明する必要があるのでこれは譲れないですよ」

 パトリックが優しくリリアンヌを諭す。テトもオーレン家で新しく土魔法士の事業を行えないか考えていたので、リリアンヌの意見には否定的だった。


「……いや、フィアカート様の考えもアリだ」

 腕を組み資料を読んでいたマックスが口を開く。えっと皆んなマックスの方を見ると、頭の中で整理しながらゆっくりと説明を始めた。


「俺たちは領地で働く魔法士のことを考えていた。だが、領地に利益さえもたらせれば、別に何処で働いていても良いと思う。例えば公爵家の魔法士として働いて、人脈作りに力を入れて貿易業を今より発展させるとか…」

 マックスの意見に、ユリア達は成程!と納得する。しかし、具体的に何が出来るかは分からないとマックスは困ったように眉を下げた。


「衣服…土魔法士…貿易…貢献…」

 ユリアは黒板に単語を大きく書いて、遠くから眺めてみる。


「オーレン家の取り扱う衣服というのはどのような物でしたっけ?」

 マックスは貴族の服から平民の服まで幅広くやっていると言ったので、ユリアは衣服の周りに貴族と平民と書き込んだ。


「土魔法士…果樹園、石の加工…採掘…農業…」

 テトがユリアを真似して、思いつく言葉を土魔法士の周りに単語を並べた。


「ユリア。あなたこの前衣服について思うことがあるって言ってなかったかしら?」

 リリアンヌが黒板の単語を眺めて、ふとユリアを見た。


「衣服について?…あぁ!採掘場に行った時にズボンを履いてみたんですけど、すごく楽で良かったって話ですか?」

「それもだけれど。違うわ!あなた言ってたじゃない。作業服はどれも同じものばかりで種類やデザインが少なくてつまらないって」

 リリアンヌの言葉にユリアはあっ!と声を上げた。マックスはその話を聞いて、スタスタと黒板に向かい、土魔法士と衣服を線で繋いだ。


「確かに作業服は何処も似たり寄ったりで素材の質も悪い…。ユリア、その話詳しく聞かせてくれ」

 マックスは何か閃いたようだ。ユリアの素直な感想を聞きながら、マックスはメモを取って整理していく。


「まだざっくりとした案なんだが…」

 マックスは暫く考え込んでユリア達に思い付いたアイデアを伝えた。細かい部分で問題がありそうだが、案自体は良さそうだった。まだ時間はあるので、改善の余地はいくらでもあるだろう。

 話し合いに夢中になっていると、グレンがひょこりと扉から顔を出した。


「君たちまだ残ってたの!?もう遅いよ〜勉強に励むのは良いけどほどほどにね〜んん?おやおや?フィアカートさんも仲間入りしてるじゃないか〜」

 グレンはスタスタとリリアンヌの元に向かって、何をしているのと覗き込む。


「グレンさん、わたくしは別に仲間入りしているわけではありませんのよ。ユリアに頼まれて、お手伝いをしているだけですわ」

 リリアンヌはぷいっと横を向いたが、耳は赤かった。ユリアはリリアンヌ様ー!と抱きついて感謝していますと告げる。


「ありゃぁ〜ユリアはお嬢様キラーだね。これはエバンズが見たら嫉妬で狂ってしまいそうな予感…」

 グレンは小さな声で呟いた。


「あ、グレンさん。次いでだから、大人の意見が欲しいんですけど、これ読んでみてください」 

 マックスはグレンに先程話し合った内容を見せた。グレンはふむふむと顎に手を当て資料を眺めていく。


「ほぉ〜中々面白い意見であるね。でもちょっと魔法士の仕事から離れているような気もするから、ここの表現とか、このあたりを〜」

 グレンはマックスの意見をベースにして、より良い表現を提案してくれた。


「まぁ、課題を私が丸々手伝ったわけじゃないから、これは私も怒られないよね…?」

 グレンは当たりを見渡して誰もいないことを確かめると、お手伝いしたのは一応秘密だよっとウインクした。


 グレンのおかげでより良い資料がまとまった。後は課題を出して、評価をもらうだけだ。マックスは完成した書類を掲げ、皆んなありがとうと感謝した。

 これならマックスの父親も少し納得してくれるかもしれないとみんなも自信が持てたのであった。

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