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アウレリアの乙女達  作者: たぬきしっぽ
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パスタと鍋

 お昼になったので、ユリア達は屋台巡りに向かった。まずはポルラ牛のサイコロステーキを購入する。そしてユリア達は隣のパン屋に直ぐ向かった。パン屋監修の出店はカラフルなドーナツを販売していた。ユリアは蜂蜜がたっぷりかかったシンプルなドーナツを買い、エバンズと半分にして食べた。エバンズは食べ歩きが初めてのようで、立って食べるのを戸惑っていたが直ぐに慣れ、ドーナツを美味しいと頬張っている。


「パスタボックスだって!」

 

 マックスが1番人が賑わっている店を興奮気味に指さした。最も背の高いパトリックがつま先を伸ばし、様子を見る。紙のボックスにパスタが入っている新商品のようだ。


「美味しそうですな!」

 テトが食べてみたいと言うので、みんなで並ぶことにする。中々列は長いので暫くかかりそうだ。


「そういえば、もうそろそろ試験の結果わかるみたいだな」

 マックスが少し楽しみでもあると笑いながら言った。


「明確な点数は分からないらしいけど、AからFで評価されるらしいね」

 Aが欲しいなぁとパトリックは呟く。テトは数学は絶対に高評価が欲しいとドーナツを頬張りながら言う。ユリアも歴史学ではAが欲しいなぁと思った。



 試験の評価を予想しているうちに、列の先頭にまできた。パスタはトマトソース、ホワイトソースの二つから選べるようだ。パトリックは1番大きいサイズでトマトとホワイト1つづつ注文する。


 ユリア達は道の端によって、パスタを堪能する。トマトもホワイトソースも具材が沢山入っていて、非常に美味しい。テトはトマトが気に入ったようで、マックスから食べ過ぎだと軽く怒られていた。



 お腹も一杯になったので、調理器具の店に行くことにする。ユリアは以前サルラン先生と来た時に見た店に向かった。調理器具専門店は中々老舗のようで、趣ある外装であった。中に入ると人で溢れており、様々な種類の用具を手に取って悩んでいる。ユリアは1人用の鍋とフライパンが欲しいので、鍋コーナーをまず探した。鍋コーナーには様々な形、大きさ、素材の鍋が所狭しと置いてあった。マックスは細長の鍋を見てなんだこれと不思議そうにユリアに聞いたが、ユリアもわからず首を振った。


「ユリアさん、1人用の鍋こっちに沢山置いてあるよ」


 パトリックがコンパクトな鍋を見つけてくれた。見た目も可愛らしいものからシンプルな物まで豊富である。ユリアは暫く悩んだが、オレンジの丸が3つ並んだ白い鍋を手に取った。蓋もオレンジ色でとても可愛いらしい印象だ。

 次にフライパンをみる。フライパンはユリアでも扱えるような軽めでシンプルな物がいいと思っている。ユリアはそこまで大きくなく、軽めのフライパンを手に取った。軽く振ってみるとそこまで手も疲れない。購入するフライパンは直ぐに決まった。


「エバンズ殿ー?あれ、エバンズ殿がいないですような…」

 テトが辺りを見渡し、エバンズの姿を探す。ユリアは会計を済ませ、キョロキョロと見渡すテトのもとに向かう。


「ユリア殿!エバンズ殿がいないでありますよ!?」

 テトは店をぐるりと一周してきたとユリアに伝える。ユリアはそれを聞いて焦った。迷子になったのか、誰かに連れて行かれたのではないか…確か鍋を眺めていた時には隣にいたはずだ。ユリアは便利グッズコーナーにいるパトリックとマックスの元に急いで向い、エバンズがいなくなったと伝えた。

 パトリックとマックスも誘拐かも!?と焦っている。


「あいつ、あんまり話せないだろう?大声なんて出せないだろうから、簡単に誘拐できるぞ!?」

「大変だ!テト、店にはいなかったんだろう?じゃあ外に…」

 ユリアは一旦外に出て、探してみようと提案する。もしかしたら散歩しているだけで、店に戻ってくるかもしれないので、店主に事情を説明する。


「黒いローブの子が来たら、この店で待っているように伝えてくれませんか?」

 ユリアの必死な表情に店主は、必ず伝えておくと約束してくれた。



 店の外に出ると、人混みは心なしか朝より増えている。パトリックは自分たちが逸れたらいけないから、もし見失っても調理器具の店に戻るようにと言った。


「エバンズー!エバンズー!いるか!」

 マックスは大声でエバンズを探すも、街の音楽と人々の話し声で掻き消されてしまう。


「どうしよう…エバンズさんに何かあったら…」

 ユリアはエルミーを思い出し、泣きそうになってきた。あんなに楽しそうにしていたのに、何処かで怖い思いをしているかもしれないと思うと気が気でなかった。


「エ、エバンズ殿は祭りが初めてなので、気になって外に出ただけかもしれませぬ…!」

 そんなユリアを見てテトが必死にフォローしてくれる。



「エバンズさん!何処ですか!ユリアです!エバンズさん…」

 ユリアも懸命にエバンズを探す。人が多すぎて遠くはあまり見渡せない。エバンズが怪我でもしたらどうしようと拳を強く握りしめた。






「エバンズー!あっ、あれエバンズじゃないか!?」

 マックスが人通りが唯一少ない小さな路地を見て、叫んだ。


 ユリアも急いでそちらを見ると、エバンズらしき黒いローブを着た少女が大人の男2人に手を掴まれている。




「エバンズさん…!なんてこと!」

 ユリアとパトリック達は急いで路地に走っていった。

 

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