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アウレリアの乙女達  作者: たぬきしっぽ
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冬休みの予定

 経済学の発表をきっかけに、1年生の土属性組、クルトやリゲルに対する態度に少し変化があった。平民だ、土属性だと馬鹿にしていた候補生達は、考えを少し改めたようで表立って悪口を言わなくなった。しかし、全部認めているわけではないようで距離は依然として取られている。女の子達もクスクス馬鹿にする様子は無かったが、話しかけてはこなかった。しかし、みどり属性の子や水属性、火属性の一部の男の子達は、凄かった!とユリアなどの平民組に話しかけてくれるようになった。

 ユリアは水属性の男の子が、尊敬するよと言ってくれた事を思い出して嬉しくなった。まさか、パトリック達やクルト、リゲル以外で普通に話してくれるなんて!と感動していたのだ。まだ全員に認められたわけではないが、他の候補生との距離が少し縮まったことは事実である。そんな様子を見たベリムス達は苛立ちを隠せないようだった。特にベリムスはユリア達にまたもや高評価を持っていかれたので、近くを通るたびに舌打ちをしていた。マックスは、あいつら本当に幼稚だなと馬鹿にしたように呟いている。



「ところで年末の2週間休みどうするんだ?もちろん家族に会うんだろう?」

 マックスが何気なく年末の予定を聞いてきた。もうすぐ年明けである。候補生達も2週間休みになるという話だ。


「えっ!?家族に会えるんですか…!?」

 ユリアはそんなの聞いてないと思わず大きな声を出す。サルラン先生は12歳の試験になるまで帰ってこれないと言っていたはずだ。どういうことなのかとマックスに詰め寄ると、知らなかったのかと驚かれた。


「俺達は家に帰ることは出来ないが、フランの街までは出かけられるんだよ。だから2週間の休み中、家族が数日会いにきてくれるんだ。実家からの手紙と外泊届を出せば3日は泊まっていいんだぞ」

 マックスはユリアは家族もこの事を知らないのか?と尋ねた。


「私は孤児院で育ったんですけど、孤児院の先生も知らなかったんだと思います…最近来た手紙にも会えなくて寂しいと書いてありました…」

 なんということだ。そんなことなら、絶対に会う約束をしていたのに…!とユリアは落ち込む。


「ユリアは孤児院で育ったのか。知らなかった…」マックスの言葉にパトリック以外はうんうんと頷く。


「しかしですな、ユリア殿!わたくしの家族も会いに来れないのですから、わたくしもずっと此処におります!」

 テトは実家は自営業なので年末に会いに来るのは無理なんだと説明した。同様にクルトも領地の外れに家があるので簡単に会いに来れないと言っていた。リゲルも珍しくコクリと頷いていた。


「ユリア殿!平民組で、年明けのパーティーしましょうぞ!元気を出してくだされー!」

 テトがユリアを元気付けようと明るくいう。パトリックとマックスはずるいぞーと言うも、家族と予定があるそうで残念そうにしていた。


「ユリアさん、2週間も休みだから、フランの街に遊びに行ってもいいし、図書室に籠ってもいいし、好きに時間が使えるよ」

 クルトも曇った眼鏡を拭きながら、ユリアを優しく慰めた。


「みなさん有難うございます!こうなったら、2週間楽しみまくりますね」

 ユリアは皆んなに気を遣わせてしまったことを申し訳なく思った。ユリアも会えなくて辛いが、他の皆んなも家族に会いたいだろうにユリアを慰めてくれたのだ。

 それに、2週間丸々自由な時間など、初めてだ。好きなことを過ごして、のんびりしようとユリアは思った。


「パトリックと俺は年明け前日から三日いないから、それ以外は一緒に遊べるぞ!」

 マックスも俺らもいるんだからな!と主張する。パトリックはカードゲームやボードゲームしようかなぁと何をするか悩み始めている。


「あーはやく、年末休みになってほしい」

 マックスは次の講義の準備をしながら、呟いた。みんな確かにと言い合っている。次は歴史学の講義だ。ネクシア先生は年末休み前のおさらい授業をすると前回言っていた。きっと情報量も多く、頭にパンパンに詰め込まれるのだろう。おさらいといっても、歴史学が得意でない者からすると、久しぶりに聞くものばかりに感じるのだ。あー頭痛くなってきたとマックスとテトは頭を抱える。ユリアは苦笑いをして、講義の準備を始めた。


 もうすぐ年末なのかと改めて考える。突然候補生としての生活が始まって、戸惑うばかりだったが案外楽しかったなぁとユリアは思い返した。2週間休みでも沢山楽しい思い出が出来るのだろうとユリアは、楽しみになってきた。

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