旅立つ直前の奴を勇者にすんな
初投稿です、中身は文才なし国語苦手のド素人ですので誤字、脱字、表現不足諸々沢山発生する恐れがあります
よろしければご指摘等アドバイスよろしくお願いします
1回1回短めに投稿しますのですぐに読み終えれると思います
「ねぇねぇ君」
そよそよの風が頬を撫でる場所の日向で昼寝をしていた僕に、自分とよく似た髪色のある女の子が話しかけてきた。
「はい?」
「君よくここで寝てるよね、家から近いの?」
同年代の子と話すことがほとんど無かった僕はやや食い気味に聞いてくる少女に少し戸惑いを覚えながら答える。
「僕、あそこの教会に住んでるんだ」
僕の両親は僕が1歳の頃に家から居なくなった、理由は誰も知らない、たまたま近くを通った神父が僕の泣き声を聞いて発見し、僕は教会に引き取られた。
それから毎日特に不自由もない生活を送っているが、少々刺激がないのがたまに傷。
「へぇー!そうなんだ!あ、私勇華!君は?」
「名前……僕の…………」
家の立地的にご近所さんが居なかった両親は、そのせいか名前を知られていなかった為、僕も自分の苗字すらわからない。
神父様も名前くらい勝手につけてくれてもいいのに
「お前の大切な名前だ、俺なんかにそんな重大な事を任せないでくれ」とビビってるのかわからないけど断られた。
そのせいでシスターや他の教会の人達に坊ちゃんやらお前さんやらで呼ばれる。
「もしかして……名前ないの?」
「そうみたい…」
知れるものなら僕だって知りたい。
だから僕は自分が誰なのか、誰の子供なのか、名前はなんなのかを知るために来年冒険者育成学校に入学して卒業後に旅に出るつもりだ。
今思うと名前安直過ぎないか?学校の名前。
このまま教会で1日1回の祈りをして寝るという自堕落な生活を送り続けても面白くもないし、何よりこの広い世界の事を何も知れない。
「ねぇねぇ、あそこの街に行ってみない?ちょっと遠いけど1時間で着くよ?」
「え、ほんと?」
明らかに1時間じゃ着かない程遠くにある街を見つめながら僕は半信半疑な声を出した。
「今からお父さんが街に馬車を引くから乗って行ったらすぐだよ!行ってみようよ〜楽しいんだから!」
昔から街へ行くのは憧れていた、歩いて行けないような距離ではないが着いた所でヘトヘトでとてもじゃないが日帰りなんか無理だろうと思い、ずっと行っていなかった。
これはいい機会だと言わんばかりに僕は脳で考えるより先に口で返事をしていた。
「うん行くよ!楽しみだよ!」
「じゃあしゅっぱーつ!」
「いえーい!」
ウキウキなテンションで少年少女は快晴の元、野原を闊歩する。
これが僕と彼女の出会いだった。
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春のクセに日差しがキツくて暑い。
4月の初め、俺にわか(16)は冒険者育成学校を卒業し、1ヶ月後に旅に出るつもりで自分の家に身支度をしに帰っていた。
え?名前ないんじゃなかったのかって?
勇華が付けたんだよ。
「世間知らずだからにわか〜」って、当時は喜んだけど今思うとバカにしてんだろあいつ。
家の中は相変わらずでもうかれこれ15年程誰も住んでいないのに綺麗な状態を保てているのは神父様が定期的に掃除をしてくれているからだ。
昔からあの人の寛大さには頭が上がらない
俺なら放置だな。
「さてと、この家の中にあるので持ってくのはもうないかぁ、案外必要なもの無かったな」
なんやかんや身支度はすぐ終わった。
教会にある荷物はもう整えてるし、準備万端、
一汗流して疲れたので少し休憩してから帰ろうと椅子で休んでいると。
ドンドンドン!
強くドアを叩く音と共に聞きなれた切羽詰まった声が聞こえてきた。
「にわか君!開けてくれ!一大事だ!大変だ!早く!開けてくれぇ!」
ん、この声は神父様だな、相変わらず若い声してるよ
一体なんだろう、神父様が焦るとこなんて俺が爆破魔法の練習中に間違えて自分の頭を爆発させた時くらいだ。
とりあえず開けよう
ガチャ
「ここは宿屋です、なんでしょうかい?」
「そんな呑気なこと言ってる場合か!」
「その場合を知らないんですよ、なんか起きました?あ、トイレでも詰まりましたか?今から街まで行って業者呼んできますよ」
「違う違う!いや!トイレは確かにさっき詰まったけど!」
詰まったんかい
「さ、さっき女神様のお告げが!」
「なんですか?またまんじゅう捧げろとかですか?あの人マジで太ってると思うんすよね、いやマジで」
「それは昨日だよ!」
「昨日あったんかい!」
ちなみに俺にでさえ女神の声ははっきりと聞こえるくらいに干渉力は強いらしい、いっつも飯ばっか要求してくるから太ってると思ってる。
そんな事頼んでる暇あったら魔王退治の道標でも記せばいいのに、約立たずじゃねぇか。
「違うって!き、君が!君が!」
『君が勇者だってお告げが!ハッキリと降りてきたんだよ!』
「なーんだそんなことですか、いやはや等々認められましたか俺が勇者だってこt………今なんて?」
「だーかーらー!君が!この時代に置ける勇者に選ばれたんだよ!」
「…………ドッキリ?」
「違う、ほんと」
あーなるほどそういう感じね?なるほどなるほど……
え?マジで?
※にわか は ユウシャ に なった !
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馬車に乗り込みいよいよ旅に出る俺を教会の人達が見送ってくれている。
「気をつけて行くんだぞ?」
「辛くなったら戻ってきていいんだよ?」
みんな優しいな……俺にとっちゃこの人達全員大事な家族だ。
「うおおおお!心の友よー!お前の事は忘れないからなぁぁぁ!」
おいジャイ〇ンいるぞ誰だ連れてきたやつ
「気をつけろよ、しかし驚いたな…まさかお前が勇者だなんて………」
そう!俺なんと勇者らしいんです!やったね!
……………じゃねぇよ!馬鹿野郎がァァァ!
危ねぇ……いよいよ叫びそうだったわ
全く……
「もっと前もって言えや女神のヤロォォォ!!」
馬車の中で俺は等々叫んだ。
いよいよ馬車が動きだす、そんな時に遠くからローブを羽織った俺より背が高い少年がこちらに走ってきた。
「はぁ……はぁ…ダメだろ、俺に言わずに勝手に冒険にでちゃ、せめて一言くらいは欲しいな」
「あぁ、悪かったよ忙しくてさ、てかまたお前異空間ゲート使ってきたのかよ、ご苦労さん、まぁじゃあ……」
「行ってくるわ」
『悠』
俺は黒髪メガネのパッとしない顔したその『日本人』天宮 悠に対してニカッと笑って見せた。
「行ってらっしゃい、気をつけろよ、あ、お土産よろしく」
「ムードぶち壊しだよこんちくしょう!」
今代の勇者様の初陣は大層不機嫌ながら始まった。
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ゴトゴトゴトゴト……
馬車が街を目指して移動している。
これから待ち望んだ旅が始まると思うと普通は楽しくなるもんだが俺は。
「おぇぇぇ……」
めっちゃ酔っていた。
昔は平気だったのに14歳くらいから厳しくなってきたこの俺の乗り物酔い、なんとかならないもんかな…
「水飲む?」
「あぁセンキュー…助かるわ、勇華……」
「いいのよ、旅に出る前にくたばって貰ったら困るしね」
「HAHAHA、そうだな、ところでさ」
「なぁに?」
「なんでお前居るの?」
「え、旅に付いてくんだけどなんか文句ある?」
ナニイッテンダ・コイツ(82)
「初耳なんですけど?」
「だって言ってないもん」
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何が何が何が?わからんわからんわからん
「そもそもあんたじゃ仲間作れるか心配だしねぇ、私も冒険者になりたかったし!私が学校じゃまぁまぁ優秀だったの知ってるでしょ?同じクラスだったんだから」
「調理実習の時教室中に黒焦げダークマターの匂いを充満させて人殺そうとしたやつが何言ってんだよ」
大体こんなやつ連れてっても不安しかないんだよ…
すると勇華が特性・威圧のオーラを発動してにこやかにこう言った。
「なんか文句ある?」
「いや…なんもないっす……すいません…」
コワイコワイコワイコワイコワイコワイ
「でもお金ないよ?俺」
「大丈夫よ、いざとなったらあんたの服売るから」
「やめてくれない?これ気に入ってるんだからやめてくれない?そういうならお前が枕営業のひとつでもしてくればいいじゃん、あ!そんな貧相な身体じゃww出来まsグベァ!」
「気持ち悪いんでしょ?お休み♥」
調子乗ったせいでボディブローを思いっきりやられた。
あ、やばい、気絶す………
(Dはあるわよ……)
あ、いいこと聞いた…………
俺は気持ち悪さと痛みを放置し意識を手放した。
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気がついたら街に着いていた、あれ?俺いつ寝たんだっけ?
うわ!めっちゃ腹痛いんだが!?
「ほら早く行くわよ!」
「お、おう」
なんかもう…先行き不安だわ……胃が痛い…
ここまで読んでいただきありがとうございます!
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