02姉
オレは、彼女を閉じ込めた牢屋を見に行った。
「どうした?家に帰りたいか?」
オレは、ちょっと笑って聞いた。
「帰りたい・・・お家・・帰りたい・・・」
「貴様はオレの食事だ」
オレは、そう言うと牢屋を後にした。
「ルカ、あの女に食事を」
「はい、レイ様」
オレは、ルカにそう伝えると、自分の部屋に戻った。
「ご主人様!!客人が来ています!!」
今度は、ラシャルが客人を連れてきた。
また、女だった。
おそらく、16歳位だろう・・・。
墨を流したような、綺麗な黒髪をしている。
不思議だ・・・。
この女とは、どこかで会った気がする。
「妹を帰してください!!」
突然言われたので、オレは、頭が?だらけになった。
妹?
この女・・・あの女の姉か・・・・!!
なるほど・・・・。
姉妹なのか・・・。
「悪いが返すわけには行かないな・・」
「返して・・・ください・・・私がここに・・残るから・・・」
なんだ・・・この展開・・・・。
『美女と野獣』のシーンみたいだな・・・。
まぁ・・・たしかに・・・・オレは野獣のようなものだ・・。
そして・・・この女は、どう見ても・・・美女だな・・・。
「貴様・・・名前は・・・・?」
「アリス・・・私の名前は・・・アリス・ドット・・・」
「ルカ!牢屋に閉じ込めた女を連れて来い!」
「はい、レイ様」
ルカはすぐに女を連れてきた。
「サカシャ!!」
「お姉ちゃん!!」
「よかった無事で・・・」
オレは、抱き合っている姉妹を引き離した。
「ルカ、その女を家へつれて帰れ」
オレは、妹の方を返した。
「お姉ちゃんは?」
「後で・・・帰るからね・・・」
「じゃぁ・・・暖かいスープを入れて置くね!!」
「ええ・・・・」
オレは、さっさと妹の方を城から追い出した。
オレは、窓の外を見た。
妹は、走って森から出て行った。
オレは、姉、アリスの方を見た。
泣いている・・・。
自分で決めたのだから・・・。
泣く事は・・・ないだろう・・・。
オレは、そう思ったけど口に出せなかった。