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第3幕

引き続きお楽しみ下さい

あれからしばらく僕とお姉さんといるこの部屋は重たい空気が立ち込めております。

ものすごく帰りたいです。子供の頃から楽しみにしていた瞬間なのにとても帰りたいのです。この無言の時間をどうにかしてください。ホント。


「とりあえず水晶にヒタイをあててみて〜」


「はっ!はい!」


お姉さん、ありがとうございます。さっきの僕の大失態を無かったことにしてくれてる。


「でも、ヒタイより先にまず手を水晶に置く人なんて初めて見たよ〜。エデル君は変わってるね〜。」


予期せぬ不意打ちを喰らいました。もう心に負荷がかかり過ぎてぶっ倒れそうです。


気をとりなおして僕は改めて水晶にひたいを当ててみた

すると無色透明だった水晶がじんわりと黄色に灯りはじめた。例えでいうなら水の入った水槽に黄色の絵の具を上から入れてみたとでもいうかそういう風にとにかくじんわりと水晶全体が黄色くなったのだ。

それをぼんやり眺めていると。


「なるほどねぇ〜君は…そうか〜」

とか言いながら手に持っていた羊皮紙に羽根ペンで何かを書きはじめた。


一体何が分かったのだろうか?僕には水晶が黄色くなったことしか分からなかったけど

明らかに職員さんが先ほどまでのほんわかした表情とは違い首をひねって何か考え込んでいるように見えるんだけどなぁ

まさか目当てのものが来ちゃってたり?まさかのまさかで僕にも好機が到来してアタリを引いちゃった感じかなぁ へへへ


「…さ〜ん ……ルさ〜ん? エデルさん?返事してくださ〜い シカトは割と傷つきますよ〜」


あっヤバ

自惚れてたら完全に周りの状況忘れてた

しかもこの職員さん少し引いた目で見て来てるなぁ 僕そんな気持ち悪い顔してたのですかね?


「え〜っとね君の職業は分かったけど少し厄介なことが起きたみたいだから先にギルドカウンターの横のベンチにでも座って少しだけまっていて欲しいんだけれどいいかな〜?」


?厄介なことって何だろう?やっぱり魔法戦士が来てしまったとかかな?なんでも40年はその職業者は見つかっていないと聞くし


「分かりました!先にもどってます!」


僕はそそくさとその部屋を後にしたのだった。





それからカウンター横の小さい一人がけの椅子に座って待っているけど


「遅いよねこれ なんか僕不安になってきたよ!?」


ねぇ僕があの部屋を出てからもう3時間は経ってるよ!もう日も暮れてきていてギルド内にある酒場がかなり盛り上がってきているよ!そんな時間だよ!それに座りすぎていてさっきからずっとケツが痛いよ!



そんなことを心で愚痴りながら暇なので盛り上がってきている酒場に改めて目を移す。

うおっ!あそこのおじさん飲み過ぎだって!腹出したまま床で寝てる。おっと?さらにその横の40代ほどの中年冒険者らしき人は明らかに顔色がよろしくないよね?

てかこの人僕がギルドに入ったときからずっと酒場に居たよね?絶対居たよ!少なくとも3時間はぶっ続けで飲んでたらそれゃ顔色も悪くなるわな…

そんなこんなでようやくお呼びがかかった。


「エデルさん!遅くなりました!申し訳ありません!!」


最初に僕を担当していたタレ目のギルド職員の人が額に汗をかいてまで走ってきた


「大丈夫です待ってませんよ!それで僕の職業はどうだったんですか?」


「はい、そのことなんですがまずは職業の発表の前にギルド長がお呼びになっておりますので私について来ていただきたいのです。」


えっ?今ギルド長って言ったの?なんでだ!?


「えっと?なんででしょう?ギルド長に呼ばれるほど僕重大な事件でも起こしましたっけ?」


それを聞いてタレ目のギルド職員の女性は少し考えるように顎に手を置き


「あながち間違っていませんね確かに重大な事件ですよこれは」


えーーー!?僕何かしたっけ?


よくよく考えてみると一つだけ心当たりがありました。

さっきの【職業付与】担当の職業の女性が僕の顔をみて少し引いてたな〜

それにシカトかましちゃったよな〜

あれか〜やらかしたな


「分かりました。案内して下さい」


僕は引きつった笑顔を見せながらギルド長の部屋へと案内されたのであった。


僕も引きつった笑顔が得意ですよ

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