演劇ですか?そろそろ開幕といきましょうか
今は三月、心機一転を計って掃除をしたらカビた餅を発見した作者です。
ここにきて疲労がピークにいくかいかないかのところまで来てます。先日友人宅でお泊り会がありそれに参加してきた作者ですが後半は猥談と女性の品定めの会話だけだったことしか覚えていません。女性の品定めと言えば紫式部の源氏物語内で光源氏が女性の品定めの話をしている部分が作者的に思いつくものですが実際にやってみると楽しいものでした。男子がまとまってもただ汚い、それだけですね。嫌いじゃない汚さでいいものだったと思います。小説内ではまだ男が3人しかでておらず、そのうち一人がまったくもってでてきていないのでそういうシーンの描写はまだ先になりそうです。それでは、開幕といきましょうか。
集会を終えて慌ただしく入って来た那須野さんと軽く自己紹介をかわした僕は、那須野さんを連れて帰路に向かおうとする藍と相沢さんに招かれ校舎を出た。
「そんなに落ち込まないでよ。でも賢治がお姉さまの役っていうのも、ふふっ」
「笑うなよ。折角やるんだから真剣に取り組むけどさ、でもいきなりお姉さまとか厳しくないか・・」
女役に指名されて落ち込む僕を藍は心底楽しそうに見ている。
「でも藍ちゃん顔立ちいいんだから化粧したら化けるわよきっと。最悪星野君には男役まわってこないかもね」
「一年間もずっと女役なんてやらされたら色んな所からよからぬ噂が流れそうだからそうならないように頑張るよ」
相沢さんは至って冷静に藍を評価している。王子が藍で姫が僕なんて想像したくもないね。
ここで僕は気持ちを切り替えるべく那須野さんに当たり障りない質問をしようと那須野さんを見る。
「そういえば、那須野さんは演劇経験ないって言ってたけど中学の時は何をしてたの?」
「私はね~水泳をやってたんだ~。でも速くなかったし楽しむ程度って感じだったけど!」
楽しんでこその部活だと思うよ、と帰宅部だった僕は那須野さんが少し羨ましく思えた。
「星野君は中学校時代何をやってたの?」
相沢さんがそう質問してきたので僕が答えようとすると藍がそれよりも早く、
「賢治は読書家でね、前に一度見せてもらったけど部屋が本で埋まってたわ」
それ僕が答えるところなんですけど。
「まぁ藍の言う通りかな。今日のシンデレラに関しても何冊かあったはずだから台本覚える前に世界観を把握しようかなって思ってる」
すると那須野さんが、
「藍ちゃんと星野君は付き合ってるの?」
僕と藍は同時に口をあけ、
「「いや、別に」」
顔を見合わせても互いに動じなくなったのは自分でも笑えてくる。
「そうなんだー、仲よさそうだったから私と弥生ちゃんお邪魔なんじゃないかなって思って~」
「まぁ藍ちゃんのルックスじゃ星野君には手が余りそうね」
・・相沢さん、人は見た目じゃないんだよ!と言いたかった僕であった。
校門を間近に迎え、ここからは藍と僕、相沢さん、那須野さんとそれぞれ分かれて帰路につく。
その後であったが、駅まで朝方のように藍とまた他愛のない話を展開し、気づけば自分が下りる駅に着き藍に別れを告げ特に脇道もせず帰ることにした。
自宅に帰ると自室の書斎の中からシンデレラと書かれた本を2冊取り出す。
どちらの本も大筋的にはお姉さまにいじめられるシンデレラ。ある晩お城で舞踏会が開かれるが行くのはお姉さまだけでシンデレラはお留守番。そこから魔法使いあ現れシンデレラに魔法を施しドレスを身に纏ったシンデレラはお城へ向かいその美しさから王子の目に留まる。王子との舞踏会を楽しんだシンデレラだったが魔法が12時解けてしまうことを思い出し別れを告げずガラスの靴だけを残し城を後にする。シンデレラに恋い焦がれる王子は残されたガラスの靴からシンデレラを見つけ出し二人幸せにくらすという俗にいう玉の輿、元祖シンデレラストーリーという内容である。
自分の配役であるお姉さまに目を向けるが性格の悪い女性ということ位しか情報を得ることができなかった。それでも何とか頑張ろうと性格の悪い女性をイメージして練習に励んだ。
その週の金曜日、僕ら一年生四人はシンデレラの台本を抱え演劇部の部室へと集った
「よし、全員いるな。じゃあ今から早速本番と言って貰いたいところだが、ウチの上田が頑張ってお前たちの衣装を作ってきてくれたそうだ」
「えへへー、頑張る新入生のために上田先輩頑張ってしまったぜー!」
・・ん?僕の配役が女役だからまさか・・と思ったそのとき上田先輩からかわいらしいドレスを手渡された。
「星野、言いたいことは分かるがそれを乗り越えてこそ真の男だ。お前の熱演期待してるぞ!」
高宮先輩が期待の眼差しで僕を見てくる。まさか高校生にもなって女装をすることになるとは・・。
衣装室へと入り高宮先輩による指導を受けながらドレスを着ていく。高宮先輩がドレスの着こなし方を知っていることについては聞かないことにした。
「ぷっ、星野君似合ってる似合ってる!あーっはっは!ダメもう堪えられない」
「似合ってるわよ賢治。でもちょっとお願いだからこっち向かないでもらえないかしら。私も那須野さんに釣られそう」
「似合ってるかどうかは何とも言えませんがお姉さまっぽい感じではないのでしょうか?」
身悶える那須野さんと口に手をあてて笑いを堪える藍とそこはかとない感想を述べる相沢さんがドレス姿の僕を出迎える。
「からかうなよ・・。結構歩きにくいんだねドレスって」
半分現実逃避で言った言葉だが高宮先輩は見向きもせず、
「じゃあ早速やってもらうぞ。一年生たちは舞台袖に向かってくれ。俺と上田は交代でナレーションを進めるから、それに合わせてやるように」
演劇部の部室には小さなステージがある。大きい演技は厳しいが背景やオブジェクトに力を入れていてしっかりとした出来に見える。
「なんか緊張してきたな。王子様じゃなくて良かったかもしれない」
「何弱気になってるのよ。こっちは男役でヒーローやらされてるんだからね」
舞台袖で緊張をほぐそうと軽い会話を持ち込むがそんな暇は与えないとばかりに幕が素早く上がっていく。
よし、深呼吸だ。暗記はしたから緊張しなければいけるはずだ。
しかしそのとき不意に立ちくらみを覚えた。
気が付くと僕は森の中に一人横たわっていた。
やっと次から異世界メインで書いていけることに感動している作者です。後書きで言うのもなんですがこの作品は一つの物語の中にずっといるわけではないので今回のシンデレラ以外の作品もアレンジ、オリジナリティに描写したいと思ってます。もちろん著作権の範囲外でという形になりますが童話といえばお札に書かれている人も取り上げたりいたら個人的に面白くなりそうなのではと思ってます。次回は今夜の12時にでも上げようかなと思っていますので続きを気になっている方が少しでもいるならぜひ期待の方をお願いします。今回も読んでいただきりがとうございました!