演劇ですか?その前に入学式です
ページを開いて頂きありがとうございます。
数多くの作品の中に埋もれているこの物語を選んだことは絶対に偶然ではありませんよたぶん。字数的に片手間に読める量だと思いますので何かのついで感覚で読んで欲しいなあという気持ちです。後で面白くなかったどこがダメだったなど色々な意見あると思いますが読んでいただいた上での批評なら全て受け付けます。最後に僕の作品が一人にでも面白いと感じて頂けるようあくまで趣味の範囲で頑張るつもりです。宜しくお願いします!
「ついにこの時が来たか・・・。」
四月の始まり。僕は新しい高校の制服を身にまとい、新天地である峰ヶ丘高校へ足早に向かった。
今日は入学式ということで学校付近の駅前で越知藍と待ちあうことになっている。
「電車通学だから時刻表もある程度覚えておかないとなぁ・・」
そんなことをだらだら考えていると目的の駅に着く。
「着いたし電話でもかけるか」
ポケットからスマホを手早く取り出し越知藍に電話をかける。
「あ、もしもし?駅に着いたんだけどどこにいる?」
「・・・」
「あの~?もしも~し?」
「ちゃんと目の前確認した?」
目の前?言葉に反射して視線を前に戻すと
「うわっ、何だよいるじゃないか」
「何よその反応。そんなんだと一人で学校いけるか心配なんだけど」
黒髪ロング、凛々しい顔つきの美少女が駅前で僕を待ち受ける。
「悪い悪い。高校の制服がブレザーだったから分からなかったよ。中学の時はセーラー服だったじゃないか」
「制服の前にまずこの顔で認識しなさいよ。目の前に可愛い女の子がいたら条件反射で振り向くでしょ普通」
「その発言がなければな。中学の時ずっと同じクラスだったから見慣れてしまったんだよ」
「あなたあれでしょ。女の子の顔全部同じみたいに見えるタイプなんでしょ」
冗談交じりの会話も一段落を迎え、駅前で美少女と一緒にいるのも視線が怖いので早く登校しようと促す。
「なぁ、立ち話もなんだしそろそろ学校いかないか?」
「始発できたからまだ7時なんですけど。入学式9時からなのに何でこんなに早いの?」
「愚問だな。楽しみだからじゃないか」
「呆れた。まぁせいぜい派手に高校デビューしたら?」
とまぁ、こんな他愛のない話もそこそこに僕たちは学校へ向かうことにした。
「部活動はやっぱり演劇部なわけ?」
越知藍がさりげなく話題を振る。
「当たり前。演劇部に入るためにこの高校に入ったんだ」
「でもたまに演劇見に行く位で演劇なんてしたことないでしょ?」
「ほら、よくあるじゃん。情熱でカバーしていくやつ」
「ほんっと呆れた。あなたがやっても棒読みになりそうね」
「失礼な。普段から読書してるし多彩なキャラの口調だってできるぞ」
「あなたの場合読むだけで発声練習なんてしたことないでしょう?」
「あーぁ、まぁそこを情熱で何とか・・・」
「一周回ってあなたの情熱に称賛するわ」
「いつにも増して厳しいようで。もう少し優しくしてくれてもいいよ?」
「却下。甘やかすのは子供の教育に良くないわ」
「いつから僕は君の子供になったんだ・・・あっ、もう校門がすぐそこだぞ!」
峰ヶ丘高校の校門を目にした僕は無性に走り出していた。
「え、ちょっと!置いてかないでよ!」
越知藍の言葉を尻目に急速に近づいてくる峰ヶ丘高校に気持ちが高揚する。
「ここが、峰ヶ丘高校・・・!」
「はぁ・・・。ちょっと!走るなら前もって言ってよね!」
「ごめんごめん。なんかこう、憧れの高校が目の前にあると思うといてもたってもいられなくて」
「あなたって結構感情が出るタイプだったのね。本を読んでいる所しか基本見なかったからただの根暗かと思ってたわ」
「おい、とりあえず世間の読書家の方々に謝ろうか。しっかしいかにも高校って感じだな」
「ここまで来ておいて感想がそれだけ?まぁいいけど。そんなことよりさ、折角だし一緒に校門をくぐらない?」
「お前ロマンチストだったのか。悪いが僕の高校生活を君とバラ色に染めるつもりなんてこれっぽっちも考えてないぞ。」
「告白もしてないのになんでフラれなきゃならないのよ。その発想が読書譲りなら今すぐ読書をやめることをおすすめするわ」
「僕の高校生活をバラ色に染めるのは読書と演劇だけでいいんだよ。まぁ折角のお誘いだし1、2のでいくぞ1、2の・・・」
「ぴょーん!」
「あ、おまっ、それはないだろ!?何のためにタイミング合わせようとしたと思ってるんだよ」
「美少女と一緒に校門をくぐれるほどあなたの人生は甘くないわよ」
「言うじゃないか。どこだよ美少女どこにいるんだよ」
「ふふっ、早くいきましょ。クラス編成が昇降口に張られてるから。一緒のクラスだと言いわね」
「そうだな、話慣れた人が近くにいるのは心強い」
気のせいか、隣を歩く越知藍との距離がさっきより近づいていると感じた。
何が言いたいのかは大体わかります。異世界モノのくせに異世界いってねぇだろ!ってみんな言いたいんでしょう。僕も含めて。僕自身異世界が本編で一番面白味のある部分だと思っているので脇の話もそこそこ、気持ち早めに異世界に主人公を飛ばしたいと思います。最後まで読んでいただいてありがとう。次作もぜひ読んで頂ければ幸いです。