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俺と彼女の日常につき  作者: 寺本 ひろ
7/10

やっとフラグが立ちました・・・・・・

 どうも、またしても長期間ご無沙汰というかたちになりました。

 そして改名すると言っておきながら未だに思い浮かばずな私比呂太と申します。

 物書きの皆さんの世界を少しでも覗きたい…というか「小説を書く」ということに単に興味を持ったことから「とりあえず書いてみよう」ということで書き始めた本作です。

 おそらく現状評価されるまでもないレベルのものにおさまってしまってる(当然のことながら)ところではございますが、少しでも目を通してくださる方に失礼のないよう、私なりに努力してまいりますのでよろしくお願いいたします。

 

 てなわけで、前書きからだらだら書いても仕方がないので、ここいらで物語の方へ移っていただきますが、まぁ今回の流れですが「やっとかよ」という一言で説明のほうは終わらせていただきます(いやどこが流れだよ)。

 

 


 「……はぁ」

 「……夢くん?」

 「ん……あぁ中瀬か」

 「うん、おはよう。ていうか随分と疲れてるみたいだね。なんか顔色も悪いし」

 「おう……」

 「ま、仕方ないよねー、さっきのこともあるし。ほんと先生鬼だよね」

 「絵にかいたようなな」

 「……ふふふ」

 「ってお前何笑って……」

 「えへへ……ごめんごめん。だって夢くん……ふふふ」

 「人が怒られている最中にビクってなって脚を椅子にぶつけて痛さでもじもじしていたのが、そんなに面白かったか、そうですか」

 「ぷっ……ふふっ。やめてよもう」

 「ふん」

 二月十一日、朝礼開始のチャイムが鳴りやむ寸前、俺と孝司と佐々山はなんとか教室までたどり着いた。

 一応普段は(チャイムが鳴りやむまでセーフ)というルールの元、遅刻か否かは判定されている。

 その理屈で今日の俺たちは一応セーフだった……のだが、昨日のこと(実際に遅刻した)もあり、今日は陽子ちゃん(担任)にこっぴどく注意をされた。

 しかも俺と孝司だけね。 

 まぁ佐々山に関しては昨日転校してきたばかりなので多めに見てもらったみたいだ。

 うちの学校は生活指導にかなり力を入れていた。

 学習能力を身につけること以前に、今後社会に出たときに一人の社会人として恥ずかしくない行動がとれるようにとのこと。

 なので当たり前だが、時間を守ることに関してはとことん厳しかった。

 まぁこのへんは余談なんだけどね。


 っていうことで今は朝礼後の一限目が始まるまでの小休憩。


 「まぁまぁ、あ、っていうか夢くん」

 「ふん、なにさ」

 「……いつまでも拗ねないの」

 「うっせ。んで、なんだよ」

 ここで一瞬呆れたようにジトっとした目で俺をみる中瀬だったが、そのまま続けて聞いてきた。

 「どうなったのあれ」

 「あれ?」

 「本。一緒に学校来たんじゃないの?」

 「あぁ、いや、まだなんも。ていうか下でばったり遭遇しただけだし」

 「ふーん、そっか。なーんだ」

 なんだか妙に含みのある中瀬。

 「なんだよ?」

 「いや、別に?昨日の今日だからさ、どうなったのかなって」

 「あぁ……そうか。まぁまたどっかであいつ捕まえて聞くことにするわ」

 「そうだね」

 

 というのも、もう佐々山は教室にはいなかったから。

 一限目は美術。

 佐々山は朝礼が終わったと思うと他のクラスメイトにつてられて既に美術室へ向かっていた。

 

 昨日の夕方、俺と中瀬の前から走り去ったあいつ(佐々山)が持っていたのはおそらく俺が学校に置き忘れ、探しに戻ってきた(ラノベ)だった。

 そのことについて(なぜ佐々山が持っていたのか)聞きたかった……というかそもそも早く返してほしかったのだが。

 まぁ今日中にはどっかで話せる機会くらいあるだろう。

 

 「俺たちもそろそろ行くか」

 「そうだね」


 ということでとりあえず一限をうけに美術室へ。


 そして授業を終えて二限目までの休み時間、まず一度目のチャンス。

 

 (お、あいつ今一人じゃん……)

 教室へ戻ろうとする時、一瞬一人になる佐々山。

 ここぞとばかりに話しかけようとしたところで……


 「ねぇ結衣ちゃん、一緒に行こうよ」

 他の女子クラスメイトに先を越され今回はアウト。


 続いてやってきた二限目終わり。

 佐々山……チャイムと同時にトイレへ逃走……いや別に逃げたわけではないと思うが。

 ……ついていくわけにも行かずアウト。


 そして今度こそはと三限目終わり。

 「佐々山、ちょっといいか?」

 と陽子ちゃん(担任)に呼ばれ教室を出る佐々山……またもやアウト。 


 そして四限目体育の後は昼休み。

 よし、この時を待っていた! 

 着替えが終わってすぐ教室に戻り、戻ってくる佐々山を待つ俺。 

 そうだ……今考えてみりゃ、最初からこの時を待っていればよかったんだ。

 何も毎時間いちいちチャンスを逃し若干落胆しなくてもよかった。

 

 とそこへ……

 (おっ……帰ってきた!)

 

 俺はすかさず佐々山のもとへ向かい……

 「なぁ……」

 と声をかけた瞬間……

 

 「あ、夢くんいた!」

 「っ!・・・・・・って中瀬、なんだよ大声で?」

 「呼んでるよ、陸上部の加藤先生」

 と佐々山が指差した先は体育館に併設の体育職員室。

 そこからなぜか俺を呼ぶ(おいでおいでをする)陸上部顧問……。


 加藤先生……なんなんすかこのタイミングで……ていうか俺帰宅部意外に興味ねぇっていつも言ってんじゃん。

 どうせいつものやつなんだろけど……。


 ここでとりあえず、(いつもの)に関してはこの後説明するとして……俺が声を掛けた相手(佐々山結衣)へ「ごめん、またあとで言うわ」と一声掛けようと当人へ振り返った瞬間……


 何故か佐々山は……

 「っ……」

 朝と同じでまたもや無言でそっぽを向かれてしまった。


 「なっ……」

 ちょっとまって!……なんなんだこのあからさまに怒ってますよ的な態度は?

 絶対におかしいでしょ……俺がなにしたっていうのさ?

 と一瞬困惑でフリーズしかかったところで……


 「おーい、夢本ー」

 「あ、はい……!」


 とりあえず体育職員室へ向かわざるを得ずという感じで。


 で、向かった先で我が高陸上部の顧問、加藤先生が俺に対して言う言葉はいつもこうだった。

 「夢本」

 「はい」

 「何度もいうが、考えてはみてはどうだ。もう一度、走らないか?」

 「先生……その話はもう何度も……」

 陸上部への勧誘。

 「妹、よく頑張っているぞ」

 「……あ、はい……おかげさまで」

 「うん。今年はおそらく全国大会でも表彰台へ登ることだろう」

 「まぁ……調子はかなりいいと言っていますしね」

 「ああ、本当に素晴らしい才能を持っているよ彼女は。とはいえ、その才能を開花させたのは、紛れもなく彼女の努力だ。そして……兄、夢本紘也君」

 「はい……」

 「お前も持っている、あの才能を……いや、それ以上かも知れんがな」

 「いえ、そんなことは……」

 「ある」

 「いやだって俺は……中学時代もそこまで活躍してませんし」

 「だから才能がないといいきるのか?」

 「……」

 「もちろん、俺がいつもお前に言うお前の持つ(才能)ってのはお前の妹の持つそれ(才能)とは少し違う。というのも、妹の方はもちろん努力こそあるが、何よりあの身体能力の高さだ」

 「……」

 「そしてお前が持っているのは、妹ほど突出した身体能力ではなく、何より大切なもの。そう(努力)をする才能だ」

 「……」

 なぜここで加藤先生が高校へ入って一度も競技復帰していない俺についてここまでこだわるのか。

 まぁ話せば長くなるので簡単に説明すると……

 中学時代の地元での自主練習。

 たまにこの高校の外周をつかって練習をしていた俺は、その様子を先生にずっと見られていたらしい。

 そして……

 「夢本、これもいつも言うことだが、俺は……あの頃のお前ほど輝いた目で練習に取り組む選手を見たことがないんだよ」

 「……」

 「……すまん、また長くなると申し訳ない……とりあえずもう少し考えてみてはどうだ。部活をやることが全てではない、だが俺にはやはりお前は少しもったいないと感じてしまうもんでな」

 「……お気持ちはありがたいです……でも俺……」

 「……そうか。貴重な休み時間に悪かったな。もし気が向いたときは、いつでも声を掛けてくれ」

 「いえ……あ……はい……失礼します」

 「ん。体育の後だ、しっかり飯食えよ」

 「あ、はい……それでは。」

 「ん」


 あ―……疲れた。

 実際、ありがたい……というか光栄なことではある。

 周辺の高校の中でもそこそこ優秀な成績を残し続ける我が高の陸上部だ。

 加藤先生に関して言えば、自身も高校生時代は国体優勝、大学生時代には国立大生ながら関東の強豪校のエースや実業団の選手を差し置いて日本選手権で堂々の優勝という輝かしい成績の持ち主である。

 さらに昨年うちの高校に加藤先生が就任してからというもの、選手たちの伸び率は相当なもので……。

 

 でも、そんな偉大な先生からのオファーだからと言って、俺がまた走り出すきっかけにはならない。

 走ることが嫌いになった訳じゃない。

 ただ、あれ(・・)以来、俺にはどうしてもそのモチベーションが戻ってこないんだ。

 そう、あの時、彼女(・・)は……。



 ※※※


 

 午後五時半、結局今日は最後まで佐々山を捕まえることができなかった。

 昼休みが終わり、五限後、六限後も……佐々山はチャイムが鳴ると同時にすぐに教室を出るという感じで。

 まるで俺を意識的に避けているかのように錯覚してし……いや、そうであることを願いたい。

 終礼が終わった後も部活のためダッシュで教室を出て行った。

 さすがにグラウンドまで追いかけていくわけにもいかず(いろんな意味で)、俺は結局帰ることにした。


 そして迎えた翌日(2月12日)は金曜日。

 結局、この日も昨日と同じような感じで佐々山は明らかに(そこまでやるかよと思うほどに)俺を避けていた……あー……認めてしましまった。

 だって酷いんだよ?

 俺が話しかけようとするもんなら、すぐに察知しては女子の輪の中に

飛び込むかと思えば、トイレに逃走するやら、「あ、職員室ってどこだっけ、あたし行かなくちゃ行けない用事が……」とかわざわざ俺に聞こえるように他のクラスメイトに尋ねたり……。

 って……あいつやたらと馴染むの早いのな。

 クラスじゃもうすでに人気もんだし、中庭歩いてりゃ、他クラスの男子からちらほら声を掛けられたり。

 (俺なんてもう二年近く通ってんのに他クラスの女子に話しかけられたことなんて指折り数えられるほどしかないんだぞ!)……という心の嘆きはさておき……。

 

 そうして迎えた午後四時過ぎ。

 結局今日も佐々山との会話には至らなかった俺は、終礼後しばらく教室に残りぼーっと黒板を見つめていた(端から見たらかなりあぶない奴に見えなくもない)。

 「はぁ、しゃぁねぇな。……帰るか」

 

 「あ、いたいた」

 俺が諦めて帰ろうとした時だった……廊下の方から俺を見つけて近寄ってきたのは……

 「っ……ってまたお前かよ」

 「またって……しかもお前って……なんか失礼だね夢くん」

 「あーいや……すまん。おま……じゃなくて中瀬にだけはなんかこうなる」

 「今またお前って言いかけて一応その後言い直したところまでは良しとしても、言ってることそんなにさっきのフォローになってないからね?」

 「ごめん……いやすいません。で、俺に何か?」

 「あぁうん。これ」

 といって中瀬が入れに差し出したものは……

 

 「っ……!って俺の本!ていうかなんでお前が持ってんだ?」

 あ……また言ってしまった……でも考えてみりゃいつもこいつに対しては普通に使ってると思うんだけどなぁ……お前(・・)

 「ん?もちろん預かったんだけど。あ、あとこれもね」

 っと中瀬が本とともに俺に渡したのは……

 「……手紙?!」

 「どう見てもそうだよね」

 なんか知らんが、ちょっとだけムッとしてなくもない中瀬は置いといて……。

 それは女の子らしく可愛い字で『夢本君へ』と書かれ、綺麗にひし形というか台形というか……ほら、よく女子がちょっとした手紙交換とかでするあの定番の折り方?で折られた、佐々山から俺へ宛てた手紙であった。


 本来男子なら少しはドキドキしてもいい場面でなくもなかったが……今俺の心は何故だか妙な冷や汗をかいているようで・・・・・・

 「なぁ中瀬……さすがにここで開けちゃうのは少しマナー違反かな?」

 「まぁそうかもしてないけど……でも大丈夫なんじゃない?」

 という中瀬のその言葉は「あんたが期待しているようなことなんてこれっぽっちもあり得るわけないじゃん」と俺に諭すようでなんだか少しへこみつつも……(いや、ぜんっぜん期待なんかしてないんだからね!)

 「じゃぁ……」

 俺は何故か一人で開封する勇気がなく、その場で佐々山からの手紙を読むことにした。

 そこには……


 【日曜日、13時、緑陽公園(りょくようこうえん)、時計台、よろしく】


 とシンプルに記されているだけで……

 っていきなり呼びだし!?

 「……」

 「どうしたの夢くん?」

 と勝手に俺の手元を覗き込む中瀬。

 「……」

 「へぇ……呼びだしかぁ」

 「なぁ中瀬・・・・・・」

 「ん―?」

 「お前も多分薄々気づいていたかどうか……分からないけど俺昨日も今日も……」

 「あーうん、避けられてたよね、思いっきり」

 さらっと刺してきやがるこいつ。

 「で……このタイミングで呼びだしときた。中瀬、お前ならこれをどう捉える?」

 「んー……私ならって訳じゃないけど、客観的にみて、例えばそうだね……」

 「たとえば……?」

 「もう二度と学校では話しかけてこないでください……とか?」

 「……………………」

 「いやまぁ、例えばだよ?さすがにないと思うけどね。わざわざそんなところに呼びだしてまでさ」

 「……」

 ごめん、ビビり過ぎてなんも言えなくなるからそういう冗談やめて……。

 「……って夢くん?さすがに今言ったのはないと思うよ、多分だけど」

 「……あぁ、そうだよな、はは。あんま安心できない言い方だけどなそれ……」

 「あーごめんごめん、大丈夫だよきっと」 

 と適当に言う中瀬……お前今のなんも考えずに言ったろ!

 

 「はぁ……まぁ行くしかないみたいだな」

 「そうだね」

 「……とりあえず、帰るか。中瀬は?」

 「ん―……そうだね、帰るとするよ」

 「なんか用事あったのか?」

 「まぁね、でも別に急がないし、いいよ。帰ろっか」

 なんだかこの会話だと中瀬が俺と一緒に帰りたがっているように捉えることができないでもないけど……いやそんな期待はしてはいけないのは知ってるんだからね!


 と気持ち悪い俺のツンデレ表現はさておき、今日も中瀬(クラスメイトの女子)と仲良く一緒に下校イベントが発生。

 しかしまぁ、結局今日は……というか今日も特別何にもなく、他愛もない話で盛り上が……ることもなく……、適当な会話を交わしながら(主に中瀬が俺の音楽やアニメに関しての語りに対して冷めたく流すという構図で)いつも通りコンビニ近くで自然にそれぞれの帰路へついた。


 それにしても明後日かぁ……あ、そういえば別れ際に中瀬がなんかボソッと呟いてたな。

 なんだっけ……日曜日が……14日がどうのこうので……?


 この時俺はまだ気づいていなかった。

 明後日、佐々山と会うその日は……二月一四日。


 そう、おそらく毎年その日にはこう呟く男どもが多かれ少なかれいるはずだ。


 「リ○充どもめ、爆○しろ!」


 ま、すぐにそっちの方向で思考が回るところ、もちろん俺は安定して爆○しなくていい側な訳で……。


 そうこの後、俺が念願の佐々山との会話を実現すべく?待ち合わせて会う事になったその日はバレンタインデーだった。

 どうも、やっとメインストリート開拓という感じでしょうか……。

 どうしてもだただらと中瀬との会話を書きがちですが、やっと次回で(彼女)がメインのお話に持って行けそうです。

 はぁ……とため息が聞こえてくるどころか、「え、まだ続き書く気あったんだ」とか「いや、忘れてたわ」とかいう声が上がりそうなほど、まだまだ未熟にもほどがあるんじゃないかと自虐に走りたくなる本作のクオリティーではありますが……。

 それはさておき、とりあえず書ききるつもりではありますので、少しでもお付き合いいただければ本当にありがたく存じます……。


 では、そろそろこのへんで。

 次回の投稿までには念願のペンネーム改名という目標を掲げ、ここで一度キーボードから手を離したいと思います。


 それでは、ここまでお付き合いいただいた方に最大の感謝を。

 またお立ち寄りいただければ幸いでございます。


 2015年5月23日。

 比呂太。

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