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俺と彼女の日常につき  作者: 寺本 ひろ
4/10

なんだかはじまりそうです

 どうも比呂太です。

 しばらく更新できておりませんでしたが・・・なんとか更新です。

 一応今回までが長ーい導入といったところでしょうか・・・。

 少しマニアックでヘビーな要素も?含みますが、こんごできる限りサクサクと進めてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 あと、とあるスポーツを物語の軸の一つにピックアップしておりますが、あくまでも本作品の軸は今後も「日常」です。

 

 今回は多少マニアックな要素も出てきたり出て来なかったりですが・・・

 できる限りいろんな方にサクサクっと楽しんでいただけるような作品にしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 

 気付いた時にはかなり暗くなっていた。 

 教室の前から佐々山が走り去ってから、まだそんなに時間が経ったわけではないんだが・・・なんだか空模様があやしい。   

 空が分厚い雲で覆われてきたせいでいつもより暗く感じるというのもあるのだろう。 

 今にも降ってきそうだ。 

 「夢くん、傘持ってきた?」

 「いいや。天気予報じゃ曇りだったろ」

 「そっか。降ってこないといいね」

 「ま、帰りくらいべつにいいさ」

 仮にこの後土砂降りになってずぶ濡れで帰ろうが、家に帰ればシャワーも浴びれるし着替えもある。

 学校ヘ行く途中に降られるよりよっぽどましだ。

 「あーなるほどね。夢くんらしいよ」

 何がどう俺らしいか分からなかったが中瀬のことだ、うせ何も考えず言ってんだろ。


 学校を出た俺と中瀬だが、帰り道の途中まで方向が同じなので、なんとなしに一緒に下校というイベントが発生・・・。

 端から見たらただのリア充高校生カップル・・・に見えなくもない?

 ま、俺たちにそんな要素はこれっぽっちもねーけど。


 「なぁ中瀬」

 「んー?」

 「・・・いや、やっぱいいわ」

 「あー、うん」

 「・・・・・・なんかそこまであっさり流されるのもあれだよな」

 「え?やっぱいいって言い出したの夢くんじゃん」

 「そうだけどさ・・・・」

 「ん?」

 こいつマジで他人事にはとことん興味ないよな。

 別にいいんだけど、なんというか・・・話し手からすれば中瀬の反応は悲しくなるほど無関心なことがある。

 こんな中瀬でも他人事に興味を示すことがあるとしたら、それはどんなときだろう?

 好きな相手とかならやっぱり変わるんだろうか。

 でもまぁ、ここ二年弱の間そういうことに思考を働かせている中瀬を見たことはないな。

 「あのさ・・・さっきの佐々山のことだけど」

 「うん?」

 「あいつ、なんであんな走っていっていったんだろうな・・・とか思ってさ」

 「あー・・・そうだね。それより夢くん、ひとつ聞いて言いかな?」

 「なんだ?」

 「えっと、佐々山さんとはもしかして以前から知り合いだったりした?」

 「・・・っ!?」

 こいつ無関心かと思えばいきなり鋭すぎるだろ。

 「あーごめんね。朝礼の後、みんなには登校中にたまたま自転車でぶつかってどうのこうの・・・とか言ってたけど、なんかそれ以外にもありそうな雰囲気だったしね、二人とも。」

 「・・・はぁ。」

 「・・・・・・べつに話さなくてもいいよ?」

 「あー・・・まぁ別に隠すほどの事ではないんだが・・・うん、悪いな。また言うわ」

 ちょうど俺たちの帰路の分かれ道、そのポイントのコンビニまで来たところで今日のところは話を切ることにした。

 「あ、うん、別にどっちでもいいけど」

 「ん」

 「じゃ、またね」

 「おう、また明日な」

 中瀬との会話の後、俺は今日の出来事についてしばし考えていた。


 佐々山・・・結衣か。

 

 今日出会ったばかりのはずの転校生の女の子・・・というのは彼女の名前が初めて耳にする名前だったから。

 でも実際は以前に出会っていて、お互いに面識があるはずで・・・再会を果たし、クラスメイトとなった女の子・・・のはずなんだ。

 いやいや、俺とあいつ(佐々山)にはもっといろいろあるんだ。

 というより、佐々山結衣が俺の知る佐山有美であるならば。

 いや、あいつ(佐々山)はきっと佐山有美のはずだ。


 そう言い切れるのにも理由がある。

 少し長くなるが説明しよう。


 時間は数年遡り、中学一年の初夏。

 確か6月くらいだったかな。  

 その前に、俺の妹が陸上部であることは先に述べたが、実はその(冴希)が陸上を始めたきっかけは俺だった。

 学生時代にサッカーをしていた父の影響で、俺は小学二年生に進級した年の春、地元の少年サッカーチームにはいった。

 しかし、もともと今以上におとなしい性格だった俺は、やんちゃなサッカー少年達とは合い入れず、それが原因で軽いいじめにあった。

 そしてその結果、俺は四年生でサッカーをやめた。 

 

 中学に入学し入る部活を決めるとき、もともと体を動かすこと自体は好きだった俺が部活体験に参加したのはバスケ部と陸上部だった。

 バスケを選んだ理由は母の影響、陸上を選んだ理由は、小学校の校内マラソンで2位になれたこと。

 そして最終的に陸上部入部を決めた理由・・・それは苦しくも、あまり前向きな理由ではなかった。

 

 チーム競技。

 そう、サッカーと同じく、チームで戦う競技だったから。

 俺はトラウマを克服できていなかったのだ。

 少し脚が速かったことは二番目の理由だった・・・俺はある意味逃げていたのかも知れない。


 しかし、そんな形でスタートした陸上競技生活が俺の転機となった。

 当時の陸上部は、部員は少なかったがレベルはそこそこ高かった。

 顧問とは別に外部コーチもついていたことを考えると、学校も力を入れていたんだな。

 

 そんな中、顧問とコーチの熱心な指導のもと、なんと俺は六月の新人戦、地区大会で初のトラックレースを優勝で飾ることができた。

 中学生の陸上競技の試合は、うちの地域では一年生だけ一年生の部があり、二年生・三年生は共通の部でくくられていた。

 同学年の中ではあったが、トップでゴールできたときの喜びは俺を競技へとのめりこませた。


 そして七月中頃。

 すまん、この辺りから少しだけ知らない人にはマニアックな陸上競技ネタが絡むけどちょっとだけお付き合いいただきたい。


 俺は参加標準記録を突破していないと参加できないそこそこ大きい大会に出場した。

 種目は一年男子1500m。

 トラックを3周と300mという中・長距離種目では短い方の種目だ。

 それまでの俺のベストタイムは4分42秒。

 そしてその日のタイムは4分38秒。

 

 結果、俺はベストタイム更新をしたものの、全国大会レベルの選手が集まるその大会で、その日俺が目立つことはなかった。

 悔しくて泣いたっけな。

 そこまでほとんど負けなしだった俺だが、同学年でも全国トップレベルとの差に衝撃をうけた。


 しかし、そんな涙目の俺がレース後にダウンもせず目をこすりながら眺めていたトラックで次のレースが始まった瞬間、さらに俺を衝撃が襲うことになった。

 

 種目は、一年女子1500m。


 目の前を走っているのは、同じ中学一年生の女の子達。

 さっきの自分が走ったレースと同じく、全国大会に参加するようなレベルの選手も多数いる。

 

 ただその時、そのレベルの高さ以上に・・・俺は異様な光景を目にした。

 全国大会参加レベルの選手が集う中、スタート直後から一人の女の子が先頭を切り、そのまま体一つ抜け出した。

 そしてあっというまに後続を引き離すと、他を寄せ付けないまま圧倒的な差をつけてゴールしてしまったのだ。

 

 そのタイム・・・4分33秒。

 中学1年生女子では日本の歴代でも指折りの記録に、会場がどよめいた。

 

 鳥肌が立った。

 そしてただただショックだった・・・。

 俺よりタイムが速いことに、そして中学一年の女の子らしい小柄ながら、それに似合わぬ強さを感じたことに。

 

 そのあと、しばらくフリーズしていた俺は落ち着いてからダウンジョグにむかった。

 俺の頭の中はベストタイムを更新できた嬉しさよりも、レベルの差を見せつけられた悔しさで染められていた。

 俺は足元の硬いアスファルトに視線を落とし、何かに追い詰められたような顔で走っていたと思う。

 

 しばらく走り、かなり喉が渇いてきたので俺は水分補給をしに荷物を置いていたサブ競技場へ戻ることにした。

 

 その時だった、さっきトップでゴールした女の子がそのサブ競技場のトラックの内の芝生で、同じくダウンをしているところを見つけた。

 俺はついつい見とれてしまった。

 その理由は2つ。

 1つは目の前に全国トップクラス、その中でもおそらくトップであろう選手が目の前にいること。

 そして2つ目は改めて見るとその女の子が・・・とても可愛い女の子だったこと。

 

 サブ競技場周辺のアスファルトの道でダウンをしていた俺は脚を止め、彼女を見つめながらしばらく考えていた。

 そして気づくと、水分を求めてサブ競技場へ入ってきたはずの俺は、サブ競技場の端に設置された冷水機よりも先に、トラックの中の芝生へと向かっていた。

 そして・・・普段女子に自分から話しかけることなんてあり得ない俺が、クラスメイトどころか初対面の、しかもいろんな意味で手の届かないところにいる彼女に・・・


 声を掛けた。


 「なぁ・・・」

 彼女もダウンジョグを終え、シートを敷いてストレッチをしているところだった。

 今になって思い出すと、多分彼女と同じ学校の生徒も何人か近くにいたとおもう。

 「・・・えっと・・・何?」

 ただ多分その時の俺には彼女しか見えていなかった。

 「お前なんでそんなに・・・」

 「・・・え?」

 「お前なんでそんなに速いの」

 「・・・・・・」

 「・・・・・・」

 「・・・・・・」

 「あ・・・いやその・・・いきなりお前とか言ってごめん・・・ただ・・・その・・・あの・・・」

 彼女はかなり戸惑っていて、しばし無言。

 そして自分から話しかけた俺だが、慣れないせいで、かなりあたふたした記憶がある。

 今思い出してもすっげぇ恥ずかしい・・・。


 まぁ彼女の反応もあたりまえだよな、知らない男子にいきなりそんな質問されてもな。

 ただしばらくの無言の後、彼女は俺のことを改めて見据え思いもよらない事を言ってきた。

 「君さ・・・・・・ごめん、名前知らないけど、さっきとても頑張ってたよね。私見てたよ・・・確か・・・久美川中だよね?」

 「え・・・・・・あ・・・うん」

 かなり驚いた事を覚えている。

 なぜこの子が俺の事を・・・?

「なんかね、君先頭じゃなかったけど目立ってたよ、私の中では。君の走ってる姿、なんか人一倍一生懸命に見えて、必死になって顔ゆがめながらも、しっかり前見て走ってるのに少し感動しちゃった。めっちゃしんどそうだったけどね。ふふふ」

「え・・・ふふふって・・・それ褒めてんのか馬鹿にしてんのかどっちだよ」

「ごめんごめん、褒めたつもりだったんだけどね。でも、私好きだよ、君みたいな走り」

少し腹がたったのと、笑う彼女が可愛かったのと、まさか俺を見ていてくれたなんていう嬉しさと・・・恥ずかしさと・・・そしてまたその可愛さに少し顔を赤らめて無言になってしまった俺だった。

「・・・・・・」

「あ、ごめん、私そろそろいくね。先生が呼んでるっぽいし」

「あ・・・えっと・・・おう」

その時、彼女の顧問が彼女の名を呼んでいたはずだが、いろんな気持ちで頭の中が一杯だった俺には聞こえていなかった。

 

そしてその日、いろんなことにショックだった俺は一気に疲れ果て、顧問とコーチに気分が悪いと嘘をつき先に帰らせてもらった。


ただその時、ひとつ重大な事を忘れていた。

彼女の名前を知らずに帰ったのだ。

記録掲示板も見ず、本人にも名前を聞いていなかった。


 

帰ってパソコンで陸上競技協会のHPを開き速報を見ようと思ったがまだ結果はアップされておらず、さらにしばらくたってもその日の結果は掲載されなかった。

しばらく日が過ぎてからアクセスしてみたが協会のHPは工事中となっていた。

 

そんなある日、夏休みのはじまりとともに部活で他地方の学生たちとの合同練習に参加した。

合計で七校くらいだっただろうか。

結構の人数での合同練習会だった。

そしてそこで、俺はまた会うことができた。

そう彼女に・・・あの圧倒的な力の差を見せつけられた相手に。


あ、君この前の・・・えっと久美川の・・・何君だっけ?」

「夢本」

「夢本君か。今日はよろしくね、まぁ男子と女子は別メニューだろうけど」

その時彼女は自分から名乗らなかった。

そのときは中学生ながら、いろいろ考えたよね。


全国トップレベルの彼女の名前について今更ここで聞くのも・・・とか多分思っていた。

けど、俺はその時は素直に聞くことにした。

「あ、おう、よろしく・・・えっと・・・すまんお前名前・・・」

とそこまで言った時だった。

予想していた彼女の反応は二通り。

一つは普通に名乗ってくれること。

二つめはちょっとだけプライドが傷ついた様子を見せながらもやっぱり普通に名乗ってくれること。

まぁ普通に考えりゃ普通に答えてくれるっしょ?

 

ただ・・・彼女は・・・普通ではなかった。


「・・・・・・」

無言・・・もろに予想以上にショックを受けていた。

「あ、すまん・・・つい度忘れしちまってさ・・・おかしいよな今更お前みたいな有名な奴の名前忘れるなんてさ・・ははは・・・」

俺は彼女の表情が一瞬無くなっていくことに相当焦っていた。

しばらくの間に感じたが、実際は数秒間・・・彼女は無言だった。

そしてちょっとだげふくれっ面になってこう名乗った。


「佐山有美」

「あ・・・あーそうだった!佐山だ佐山!悪かったなもう忘れねーよ。んじゃ今日はよろしくな、佐山」

俺がごまかそうとしたつもりだが、知らなかった事はきっとばれていた。

なんせその時、彼女はさらにふくれっ面で立ち去ったから。


ただその後何回か言葉を交わしたが、機嫌はすっかり戻っていた。

ただ妙に自然だったことは覚えている。


そして練習会が終わり解散の後、帰り際のことだった。

佐山有美が話しかけてきた。

「あのさ、夢本君って地元が久美川?」

「うん、そうだけど?」

「ふーん・・・じゃぁうちの家からそんなに遠くないね」

「え、そうなのか?でもお前の学校って・・・」

豊美園学園付属中・・・俺の住む久美川町からは車で三十分ほど離れたところにある都会の学校。

そしてそこに通うのはお金持ちの家の子ばかり・・・というところだった。

「あ・・・うん、でも家は三城(みしろ)市なんだ」

「え・・・三城って言ったらうちの町の隣じゃん?」

「そうだね。学校へは毎朝お母さんが送ってくれるの。仕事場が近くでね」

「そうなのか」

「でさ、夢本君。そこでひとつお願いごとがあるの」

「・・・願い事?」

佐山がいきなりこんなことをいったきた。

「うん・・・・・・あのね、・・・その・・・えっと・・・付き合ってくれない?」

「・・・・・・・・・・・・!?」

その時、俺は自分の心臓がおおきく鳴ったことを覚えている。

俺が心臓を大きく鳴らしたのはもちろん、恥ずかしそうに緊張してその言葉を口にした彼女に・・・・・・そう告白された・・・・・・と思ったからで・・・。

まぁ今考えたら急に告白なんてあり得るわけないんだけど。

そんなドキドキも次の瞬間には恥ずかしい感違いであったと判明。


「あ・・・え・・・ちょっ・・・なに顔赤くしてんのよ!」

「え、いやだってお前・・・?」

「ごめんなさい・・・私の言い方が悪かったかもしれないわね。」

「え・・・?」

「・・・付き合って。その・・・私の自主練に」

「・・・は?」

 

佐山の頼みはこうだった。

自分の学校以での練習・・・つまり自主練習をする際、俺に付き合ってほしいと。

 

「・・・だめなら別にいいけど」

「・・・・・・なんで俺?」

「他にいないの、陸上関係で男友達・・・」

「嘘だな」

「ちょ、なんで言いきるのよ!」

「いやだってお前にちょっかいをかけてる豊付中の男子や他校の男子がいっぱいいるところさっき見たし・・・あれぜってぇお前のことすきだよな」

「す・・・好き・・・って、それ今関係ないし、・・・ていうかうちの学校ってそんな略称だったんだ・・・じゃなくて!」

「いやでも、普通にいるだろ?俺以外にも」

「・・・・・・いない。いないの。もちろん男の子でも陸上関係の友達はいっぱいいるけど・・・でも・・・」

「でも?」

「・・・いいよもう別に。ごめんね・・・いきなり変なこと言って」

「・・・・・・・・・・・・」

なんかいきなり勢いを失った彼女に俺もつい勢いを失ってしまい・・・少し考えた。

「じゃ・・・そろそろ帰るね」

そして俺は・・・・・・。

「別にいいぜ」

「・・・え?」

「だから・・・その・・・付き合ってやるよ自主練」

俺がその時考えたことはそんなに深くなかった。

というか単純だった。

そう、ただただ嬉しかった。

当時中学生ながら走るのが速くなることにただただ貪欲だった俺は、彼女のようにレベルの高い選手と自主練ができることに単純にわくわくしたのかもしれない。

そこに男女という性別は関係なかった。

レベルの高い選手に認められたと感じていたのかも知れない。

そして、おまけになんというか・・・可愛かったから・・・?

あかん・・・そこだけ抜き出すとなんかゲスいな中一の俺・・・。


とまぁそんな感じで俺たちは連絡先をしその日は解散となった。

佐山は一瞬フリーズしたが、すごく喜んで去っていった記憶がある。

「ありがとう!帰ったらすぐ連絡するね!」

「おう・・・まってる」


 

そう、そしてその後達に、週に一回は一緒にトレーニングをするという習慣ができた。

ただそれも半年間という短い期間で・・・。

何故半年間だけだったかについての説明にはさらに時間がかかり過ぎるのでまた次回に。


(え、お前の説明はマニアックな上に長過ぎるって?)

(ごめんなさい反省しております・・・。)

 

まぁそういうわけで、半年間ではあったが、何回も顔を合わせている相手との再会だ。

たかが三年ぶりだ・・・顔見て声聴いたら、分からないわけがないだろう?


とそこまで数年前に思考がタイムスリップしていた時だった。 

気づけばもう少しで家にたどり着くといったところ、今歩いているのは朝通った桜の木の並木道。


俺はふと人の気配に気づき思考を現実に戻した。

そして俺が後ろからの気配に振り向いた瞬間・・・一人の少女とほんの一瞬だけ目があった。

後ろから走ってきた彼女はトレーニングウェアで身を包み、少し長めで明るく染めた髪はまとめてポニーテールにした上、キャップをかぶってネックウォ―マーをしていた。

顔の半分がネックウォーマーで隠れているので普通なら一瞬で誰だか判別はできない・・・でも・・・。

走っているにも関わらずほとんど足音はならない。

上下運動がなく一切の無駄な動きを感じさせない綺麗なフォーム。

そして軽快なリズムであっという間に通り過ぎた彼女は・・・。


「佐山!」

 

俺は思わず叫んでしまった。

そう、顔なんて見なくても分かる。

半年間も連絡を取り合い、なにより一緒に練習もした。

その彼女の綺麗なフォームを俺が忘れるわけがない。


すみません・・・またマニアックな視点を・・・。


その瞬間、こちらを振り返りそうな素振りも見せたが・・・その少女は颯爽と風を切って走り去ってしまった。


あの髪の色・・・そういえばあの佐々山も同じ感じだった。

といことはやっぱり・・・

 

でもなぜ名前が違う?

いったいどういうことなんだよ。


 というわけで、なんとなくではありますが、本作品の今後の流れをつくるために大切な前置き・・・をやっとこさ書ききることが・・・できていればいいんですが・・・どうでしょうか。

 今回も時間に追われながらの投稿となり、自分的にも質の落ちた部分は否めません。

 しかし、まずは本作品を最後まで書ききることを目標にやってまいりたいと思います。

 その中で一人でも多くの方の暇つぶしにでもなれれば幸いかと・・・。

 

 


 では今回もあとがきがクソ長くなってもあれなんで、このへんでいったんキーボードから手を話したいと思います。

 あ・・・キャラや物語について一切触れないあとがきになってしまいました。

 すまん紘也くん・・・君に代表してもらって僕から君たちに謝っておくね。

 それに君にはこのあといろいろ楽しいことも待っているんだから・・・というか僕が楽しくしてあげるから許してね?(笑)


 ではまだまだ精進の身・・・このへんで失礼いたします。


 さらっとでも目を通してくださった方、心より感謝申し上げます。


 2015年4月22日。


 比呂太。

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