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最終章-11

僕は、席に座った。

そして、卒業証書の束を自分の膝の上に置いた。

終わったんだ……

僕たちが座ると、鳴り響いていた拍手は一斉に消えた。

それでも、僕の中にはまだ鳴り響いている。

終わったんだ……

僕は、瞼を閉じた。

そして、ゆっくり深呼吸。

体が軽くなるのを感じた。

終わったんだ……

僕の視界は暗闇なのに、幾重にも重なるようにこれまでの思い出と記憶が走馬灯のように回っていた。

終わった……

身体が軽くなってきた。

膝の上においてある卒業証書の束の重みがなくなってきた。

いや、感じなくなってきた……

だって……今の僕は……

本当は、消える前にみんなに言いたかった。

ありがとう。

さよなら。

ごめんね。

って――

でもでも、それより言いたかったことは――

卒業おめでとう。かな?

もしくは、幸せだったよ。かな?

あぁ……何も聞こえなくなってきた。

何も動かせなくなってきた……

ごめんね……


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