第3章-2
そして、時は流れていった。
その間も、僕たちは良き友達として係わり合いを持っていた。
この時、僕は改めて自分が変わってよかったと思った。
新しい学年になり、そして新しいクラスになってから、僕は久樹に進められるように、クラスメートたちといろんなことを話すようになった。
そして、孤独でいた頃の僕を知っている人は、僕の変わりように驚いていた。
だけど、何も問題は無かった。
僕は、僕であるのだから……
ただそれだけでよかった。
久樹は不意に目を醒ました。
そして、今が現実であるのを気づくのと共に、今まで見ていたのが夢であったことを改めて知らされた。
それは、懐かしい夢だった。
それは、輝いていた頃の夢だった。
あの頃の自分たちは、ただ遊ぶことだけに夢中になっていた。
それもそのはず…まだ幼かった彼らに『生きる』という意味を知る方法はそれしかなかったのだから。
「…何なんだよ…今更…」
なぜ、今になってあんな夢を見たのか?
そうやって、自分に問いかけとしても返ってくる答えなど無く、浮かんでくる答えも無かった。
ただ、今の自分は焦っている。
彼の時間が残り僅かであることに――
久樹は、完全に自分の意思が覚醒してしまった為、ベッドから起き上がり、彼の自室にある唯一の窓にかかっているカーテンを開けた。
そして、そこからは、今ちょうど顔を出した朝日が、輝いていた。
それは、今日と言う長い一日の始まりだった。
 




