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第1章-12
俺は、あの二人から少し離れたサクラの木に隠れながら、その様子を伺っていた。
そして――ことが終わったのか、こよみちゃんを残し遙は走り去って行った。
「……最悪なもんだな……」
絶対にやってくる最悪な別れ。
そして、それを迎えないといけないこと。
「選択肢もなけりゃ、答えだってない、最悪な問題か……」
あのまま二人が付き合っていくと、遙の死によってそれは終わりを告げる。
その前に別れるためには、こよみちゃんのことを棄てないといけなかった。
「なんだって言うんだよ……」
俺は、その木により掛かりながら空を見上げた。
見えるのは、裸になった枝とその隙間から垣間見る冬の夜空――
そして、聞こえるのはこよみちゃんの泣き声――




