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はじまり

「何か面白いことないのー?」ぽろっとこぼれた独り言にDデルタが反応した。

「外、行ってみる?たまには散歩でもしようよ」

「んー、どうしようかな。まぁ暇だから付き合うとしよう」散歩することになった。

「ちょっと!Aアルファーが面白いことないか?って聞いてきたんじゃん!何で俺が無理矢理散歩に付き合わせてるみたいな言い方するのさ!!!」Dはほっぺたをプクーっと膨らませてプンプンしてた。なんかカワイイ。

「まあまあ、そんなことはとうでもいいじゃん。早く支度して外行こうよ。」Dは不満そうだったけど渋々納得したみたいで、支度を始めた。って言っても支度っていう支度なんかないんだけどね。スーツを着るってくらい。外出はスーツ。俺らの仲間はみんなそうなの。深い意味はないよ、ってあれ?あったっけ?…忘れた。

「そろそろ春だね。やっと暖かくなってきたし、散歩もいいかも」さっきまで文句言ってたのにもう乗り気Dはネクタイを結んでるとこ。ノーネクタイなんてナンセンス!もちろん、理由なんかない。

せっかく外に出るんだから何か面白いことあるといいけど。暇潰しにくらいはなるか。

ここで自己紹介しとくけど、俺たちに名前はない。アルファベットが一文字与えられるだけ。一応組織に属してるんだけど組織って一言に言っても色々あるからね、俺はDしか知らない。ホントに全員いるのかね。しーらない。

組織についてあまり知らされてないとこを見ても俺ら二人はあまり期待されてないってことだよね。俺は認めないよ?でも現実って厳しい(泣)。俺らの仕事は簡単に言えば、情報屋ね。探偵物の物語に出てくるでしょ?そうそう、あれ。でもね、情報屋ってのも色々苦労があってね。

「最近依頼人いないよなー。探偵とかって専属の情報屋でもいるのかね?」

Dが言ってるように最近はそのようだ。商売あがったりだよ!でも仕事はやらないとね。そうして今日も情報を集めるのです。

「そろそろ月1の報告の時期だからな、こうやって外に出るのだよ」偉そうに言ってみたけど、働いてますよーっていう口実ね。

「お金はもらってる訳だしね。形式的には活動しとかないと」

Dも基本は面倒なことは嫌いみたいだ。

歩いているといつもお世話になってるコンビニに着いた。ここのおでんは美味しいから良く買っては帰るのだ。おでん買って帰るかー?って聞こうとしたらDが

「バイト募集だってさ、ここ客来るかぁ?」

確かに。でも張り紙にはそう書いてある。

「忙しいんだろ、聞いてみようぜ」店の中に入る。いつもの店員がいたから聞いてみる。

「バイト募集ってなんかあったのか?」

「僕、明後日引っ越すことになったんです。だから店長が僕の代わり探すって」

「なるほど」

「なるほど」

かぶった。どんぴしゃ。

「そうだ!お二人、バイトしてみません?」

「へ???バイトだって???」

この日を境に何かが変わり始める。散歩するだけだったのに。

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