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『救済ではなく、継承の物語』― アストラル継承記 ―  作者: 龍の末裔
第18章|惟神の道
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(1)惟神の道

(視点:直)


朝の神殿は、音が少ない。


ここに立てる者は限られている。


それを、直は知っている。


中庭に、小さな気配がある。


生まれながらに龍人である子。


未熟な翼が、光を受けて淡く揺れる。


数は多くない。


増えるものでもない。


この地に在る命は、

すべてが重い。


回廊の先に、藤紫がいた。


朝日を背に、静かに空を見ている。


以前なら、

自分が立つ場所を探した。


今は探さない。


自然に足が動く。


隣へ。


藤紫は振り返らない。


拒まれもしない。


それだけで、十分だった。


この場に立てるのは、

眷属だけではない。


まだ名を持たぬ者もいる。


力の形が定まらぬ者もいる。


だが――


ここに立つかどうかは、

選ぶことだ。


直は何も言わない。


誓いも立てない。


ただ、退かない。


風が抜ける。


藤紫が歩き出す。


直も並ぶ。


一歩遅れず、

一歩越えず。


並んで。


道は示されない。


けれど、

足はもう迷っていなかった。

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