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『救済ではなく、継承の物語』― アストラル継承記 ―  作者: 龍の末裔
第27章|その色は
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(6)影の間にて

(視点:理永)


講義を聞き、レポートの課題に取り組む。

頭の片隅では、あの日の由良との帰り道が思い出される。


でも、教室の中では、クラスの女の子たちが由良に話しかける。

自然に、理永の目はそちらを追ってしまう。


「……女子、女子、女子か。俺、完全に負けてるじゃん…」

湊の声が、茶化すように響く。


「あーあ、理永、焦ってるなー。可愛いなー」


理永は思わず小さく息を吐く。

もう大丈夫だと思ったのに、視界に入るとやっぱり気になってしまう。


由良の視線が自分に向くと、すぐに落ち着く。

理永の胸は、またざわついて、もどかしい。


「湊くん…茶化さないでよ…」

理永は思わず、吐息混じりに小さく呟く。


不安が、胸の奥でざわめく。


好きだとわかったからこそ、失うのが怖い


距離感も、視線も、触れるか触れないかの間合いも、すべてが心を揺さぶる。


理永はまだ、この感覚を言葉にできない。


ただ、隣で由良の様子を感じるだけで、心の中でぐらつきながらも、自分の気持ちを確かめている。


―――――――――――――――――――


(視点:由良)


由良は、女子たちの間に立ち、軽く会話を交わす。


目線や仕草は自然に、でも心のどこかで理永の反応を確かめている。


理永の揺らぐ目線、不安そうな表情やしぐさ。

由良は見逃さない。


“焦ってるな”

心の中でくすっと笑う。


だが、あくまで静かに冷静に。

理永を縛らず、でも確実に囲い込んでいく。


――その距離感。

理永が気づかないうちに、二人の距離は少しずつ縮まっていく。




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