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『救済ではなく、継承の物語』― アストラル継承記 ―  作者: 龍の末裔
第25章|告白の行方 2
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(4)――隣

「理永も、吸血鬼になるか?」


静かな問い。

残酷な選択肢。


理永は、じっと由良を見る。

そして、首を横に振った。


「ならない」


はっきりと。


由良の目がわずかに揺れる。


「由良くん、迷ってますよね?」


その一言で、空気が変わる。


「守ろうとしてる。でも」


理永は一歩、近づく。


「一緒にいられるならって、少しだけ思った」


沈黙。

図星だった。

由良の指先が、強く握られる。


「私はあなたの隣にいたい」


まっすぐに。


「でも、あなたと同じになりたいわけじゃない」


静かな声。

揺れない。


「人間のままで、あなたの隣にいる」


その覚悟。

由良の呼吸が乱れる。

近い。

触れられる距離。

思わず、腕が動く。


抱き寄せそうになって――

止まる。


理永の肩に触れる寸前で、指先が止まる。

触れたら、壊れる気がした。


「……ずるいな」


かすれた声。


「お前のほうが、よっぽど強い」


理永は、小さく笑う。


「好きだからね」


夕暮れが完全に夜へ沈む。

触れないまま。

それでも、距離はもう遠くない。



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