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『救済ではなく、継承の物語』― アストラル継承記 ―  作者: 龍の末裔
第25章|告白の行方 2
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(3)代償

「理解したつもりになるな」


由良は立ち上がる。


距離を取る。


「俺は老いない。死なない。……人の血で生きる」


静かな声。


感情を押し殺した声音。


「お前とは、生きる時間が違う」


理永は黙って聞いている。


そのまっすぐな視線が、痛い。


「だから」


わずかに目を伏せる。


「ここで終わらせるのが正しい」


それが正解だ。


そう分かっている。


――なのに。


胸の奥で、微かな声がする。


(もし)


(同じ時間を生きられるなら)


振り払うように、由良は息を吐く。


そして、あえて残酷な選択肢を差し出す。


「それとも――」


視線を戻す。


赤が、わずかに滲む。


「理永も、吸血鬼になるか?」


静かな声。


甘くはない。


けれど、完全に冷たくもない。


「人間をやめる覚悟があるなら」


言いながら、自分が何を言っているのか分かっている。


そんなこと、望んでいない。


理永の時間を奪いたくない。


それでも。


ほんの一瞬だけ。


(それなら、離れなくて済む)


そんな弱さが、確かにあった。



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