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③堕女神の工程  作者: 邑 紫貴


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悪魔のささやき……


加菅かすが 浩大こうだい高校一年生。

健全な?普通の男だ……。


「秋……?何、して……るの?」

俺は、今の状況がつかめず秋……幼馴染の伊住院いじゅういん 秋桜あきおに尋ねた。

ここは俺の部屋。床に寝転んで、転寝から目覚めたところ。

その俺の上に、秋がいる。長いふわふわの髪が、俺の頬に掛かっていい匂いがする……夢じゃない。

「え……?うぅ~~ん。夜這い……?」

夜這い??秋は、考えながら……あれ?とか……呟いている。

何か……劇の練習?だろうか……

「あの……さ。まだ、昼だよ?……とっ。」

俺は、軽い秋の体を持ち上げながら起き上がる。

感じないわけではないが、まだ……幼馴染。しかも、こんなことをする女の子じゃない……??

今思えば、あの頃からだった……



時は、中学時代にさかのぼる。

秋の家は、道をはさんで向かいにある。

その道が校区をわけ、中学は別だった。だから、秋の中学時代はよく分からない。

たまに顔を合わせ、話をしたが……毎日一緒にいた小学校の時に比べると、疎遠に近い状態だった。

秋の中学の様子を見たのは、合同体育祭。中学3年から、少子化でその企画が通った。

やっぱり、可愛い……俺たちの中学の男共の心を、すべて奪った。

『天使……』『いや、女神だ!』と。

怒る女子の声なんか、耳に入るわけも無く惨敗だった。

高校が同じだと知って、どれほど嬉しかったか。

ほんの少しの時間が、君を変えた……


高校入学当初。彼女と同じ中学の奴は、目を逸らし言う。

「堕女神。知らない?悪魔の手に落ちて、誰も近づけないんだ!……くふくふ……」

秋と、一緒にいる……女の子?

結構、綺麗な顔をしているし、幾人かクラスの男の視線が注がれる。

悪魔?……意味がわからないけど……。


考え事の途中の俺は、そのアクマな彼女に声をかけられた。

「ね、あなた……DT?」

…………。

「へ?」

今、DT……って……言った?この顔で??

俺の驚いた顔に、ニヤリ顔。

「ふぅ~~ん。何人か、喰っててそうなのに。」

いきなり、秋の方に向かって叫ぶ。

「コスモス!こいつ、ヤッ……むぐっ」

慌てて、悪魔の口を塞いだ。

信じられない。今、こいつ……秋に『ヤッたことない』って叫ぶつもりだった?!

「なっ……何を、教室……ここ、教室……ぎゃっ!!」

悪魔は、口を押さえていた手の平を舐めた。

しかも、効果音は……可愛い“ペロッ”じゃない。……こう……ベロ~~リ……??

手を離し、不思議なものを見た……という顔の俺に、舐めた舌を出したまま……ニヤリ。

アクマ……確かに、悪魔だ!!


それから、何故か3人でいることが増えた。

秋……どうして、このアクマと一緒にいるんだ?タイプが全く違う……。

俺と離れていた間、何があった?

「え?私から、友達になってもらったの!」と、嬉しそうに言う。

女神の微笑みで……

悪魔……大園おおぞの 恵理夏えりかに毒されているのか……

「呼んだ?」

恵理夏、登場。

「……召喚した覚えは無いぞ?」

極端に嫌そうな顔した俺。

それを嬉しそうに、笑って受け止める。

「困るわ。契約して……その、魂でいいわ。」

恵理夏が言うと、シャレにならないセリフ。

黒髪が腰まで、サラサラ……。綺麗な顔で、性格は最悪……親父が入ってる。

この女になら、殺されてもいい……なんて、男がゴロゴロ。頭、おかしいんじゃないか?

「よし、圭太……お前、命やれよ。魔界に帰りたいって!」

前の席で、パンに噛みついたところの圭太けいた

突然、話題を振られたのに「はい!喜んで!」と。

マジかよ。圭太の目は、……ハート?どこかを見ている。決して現実ではない。

呆れて、ため息が出る。

そんな俺に、恵理夏が近づき「コスモス。女にさせてやろうか?」と、耳元で囁いた。

昼休みにする会話じゃない。

「ぶっ……」

しかも、口に含んだお茶を吹いてしまった。

「汚いわね~。あぁ、コスモスを……濡らしたいのか。」

…………。

いちいち、エロく聴こえるのは……俺がお年頃だからじゃ……ないよな?

「汚すのは、夜だけにしろ?」と、ニヤリ。

「…………。」

悪魔と言うより、下品な親父だ……。

「おかずは、タダ……。あぁ、私でもいいぞ?ふふっ。相手してほしかったら金だしな。」

ふっ……と、俺の耳に息を吹きかける。

【ゾクッ】耳を押さえ、恵理夏を押し退ける。

そんな俺たちをマジマジ見ながら、秋が言った。

「恵理夏ぁ~~。それ、今度……私もしてみたぁ~い。」

とっさに「せんでいい!!」と、叫ぶ。

そんな俺を横目に「いいよ。今夜、手取り足取り教えてやる。」と、聴こえるように。

秋に、恵理夏は色気たっぷりなウインク……。

悪魔のささやきに、成長を続ける秋……。

君は純粋だったよね?どこまで毒されてる??

俺は、純粋な女神のような君が、好きなんだ。出来れば、変わって欲しくない。

でも、言える権利も……止めることも出来ない。

「はぁ……」

「ふぅ~~ん。浩、征服欲が強いのか?」

俺の様子を見ていた恵理夏が、恥ずかしげも無く言った。

「ごほっ……けほけほ……」

俺の頭の中まで、読むのか……。

いや、そんなつもりは……あまり……ないとも言えないような……悪魔め……

「コスモス、待て……は教えたな?」

「うん!」

……待て??

「浩は、『待て』が好きだって。」と、最高の笑顔。

ハラ黒……

【ゾクゾク……】背筋が、寒気に襲われる。

秋は俺を見て、顔を赤く染め。

「浩君。イヤイヤって恥ずかしがる女の子を、強引にしたい……って人?」

…………。

悪魔に、洗脳されてる!!

「男の劣情を刺激するんだ。」と、悪魔の声。

「恵理夏さん?地獄に帰れ!!」

「魔界だろ?」

ふふんと、ふんぞり返り……嫌味な笑顔。

何様だ?!

「人間じゃないだろ?」




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