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314 無理やりにでもヨウドウを

 ココミクと会った。


 すでに父親が逮捕されたことを知っていた。

 二度と出て来れないことを感じ取っていた。

 ヤタブーは、それこそ心労が祟って完全に寝込んでしまい、即入院した。

 錯乱した状態だという。

 いずれヨウドウと見舞おうと思っているが、それは今ではない、と思う。


 ココミクは、母が高校時代、ヨウドウ先生が好きだった、と聞いたことがあると言った。

 それを知っていたから、ミリッサ先生ではなくヨウドウ先生に、家に来てもらおうと思っていたのだという。

 このことをココミクは何度も謝った。


 そうか。

 ヨウドウも、ヤタブーの思いを察していたのか。

 だから、御影の珈琲館で、らしくなく言い淀んでいたのだし、無理やり俺は誘われたのだ。

 それならそうと言ってくれれば、無理やりにでもヨウドウを。


 が、今やどうでもいいこと。

 俺が世話を焼く類のことではない。




 ココミクとは、昔、競馬サークルの部長だったころ程度には、連絡を取り合う仲になった。

 上町ペンタゴンは続けるという。


 ただ、名称は元に戻し、五狐庭台に改める。

 五芒星の星のひとつであることはPRせず、古代の遺跡として静かに運営していく。

 岩を再び土中に埋める工事は資金的に難しいが、いずれは、と思っている。


 そんなことを話してくれた。



「売り払って、ここにマンションなんかが建つのは、よくないでしょ」

「そうだなあ。でも、地主のひとりとしては、未来永劫、このままでいろというのも困るよな」

「まあ、そうなんですけど。私、ちょっと思うことがあって」

「なに?」


「ひいおじいちゃん、ここをパワースポットとして売り出したでしょ。それって、もしかして、この土地を守るために、つまり住宅地とかに変わってしまうことを避けるための策だったのかもって」

「……そうかもな」

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