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313 迷路ゲーム

 手に持った木の箱を睨みつけ、手を右左に上下に細かく動かしていた。

 クリスマスプレゼントだと、メイメイがくれたもの。

 木の箱の迷路。

 緑、黄、紫、赤のガラス玉が入っていて、それぞれ所定の場所に入れるパズルゲーム。


 黄色の玉が入ったから、次は緑色、と箱を傾けるとせっかく入っていた黄色の玉がたちまち出てきてしまう。

 四色どころか二色でさえ、同時に所定の場所に納めるのは至難の業。



「緑は誰かわかる?」

 とメイメイに言われた。

「ん?」

「黄色はハルニナって言ったら分かる?」

「なるほど」

「そこ、感心するところ?」


 やってみて、と言われてしばらくトライした。

 ハルニナが黄色の玉だとすれば、緑はメイメイ、紫はラン。

 これは明白。

「赤は?」

「自分で考えなさいよ」

 ならば、アイボリー。

 ん? フウカか、ミカンか?

 まさかガリではあるまい。


「ク! このでっぱりが!」

「じゃまよねー」

「一個ずつなら簡単なのに」

「だね。これ。二兎を追うもの、って名前付いてた」

「まさに。でも、メイメイ、これ、もしかしなくても嫌がらせだよな」

「わ、人聞きワルー。せっかくの私のプレゼント、そう言う? フツー」

「ほら、緑を入れた。機嫌直せ」

「バーカ」



 あれから、一人で何度か遊んだ。

 遊んだところで、誰が一番好きなのか、分かるはずもないが、何度も紫を入れたり黄色を入れたり、緑を入れたり。

 そのたびに、彼女らの顔が浮かぶ。


 すごいおもちゃだな。

 いったん、この玉に誰かを紐づけてしまうと、たちまち意識は固定されて、これはハルニナ、これはメイメイ、これはラン、となってしまう。

 単なる遊びが、彼女らを胸に描く装置に早変わりする。



 メイメイめ。

 このプレゼントの意味は……。

 

 フフ。

 フフ、ハハ。


 そうか。

 この赤玉。

 メイメイめ。

 ンラナーラのつもりだったりして。



 ンラナーラからは本当のことを聞いていた。

 学校に来た理由。

 ランが俺を監視するために差し向けたのではなかった。

 あくまで、人間界の勉強のために。


 ミャー・ラン殿は、人間界に行くようになって人が変わった。明るくなったし、賢くなった。

 それを見習って、私も。

 ということだったらしい。


 俺の勘違いを、ンラナーラは面白がっていただけ。

 それも勉強だと思って、とンラナーラは笑ったものだ。

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