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311 心の中のものを言葉として表現することの大切さ

 そう、それがンラナーラちゃんでした。


 本当に、ラナちゃんのおかげです。


 背に乗せてくれて……。

 母に会えました……。



「私、みんなにも謝りたいです。ドタキャンしてしまったこと。それに今までの私……」

「ストップ!」

 と、ジンがスズカの話を遮った。

「で、お母さんと話、できたんだよね」

「はい……。すでにミリッサ先生やハルニナ先輩やメイメイ先輩が駆けつけてくださってて……」


「よかったじゃん!」


「でも、私」

「よかったよかった!」

「でも」

「スズカが何を謝りたいのか知らないけど、少なくともボクはなにもわからないよ、感じないよ。変に気を回してほしくないよ」

「ジン先輩……」

「それに、スズカに縮こまってほしくない」


 ガリが口を開いた。


「ごめんなさい、横から口挟んで。心の中のものを言葉として表現することの大切さ。ね、スペーシアさん、お館様に教わったんですよね」

「はい。それで、私、ずいぶん、なんていうか、心が整理できて、楽になりましたし、私のこと、分かってもらえたような気がしてうれしかったです」



 ジンが俯いた。

「ごめん。そうだった……」


「ジン先輩、ありがとうございます。話してもいいですか?」



 私、ラナちゃん、あなたに助けてもらったことをじっくり考えました。


 あの時、ラナちゃんはラナちゃんの大切な仕事、役割があったはず。

 なのに、私を背に乗せて、持ち場を離れて競馬場まで直行してくれた。



 実はラナちゃん、名乗らなかったんです。

 私、ラナちゃんだって、知らなかった。

 全然、気づきませんでした。


 あいだみちでラン先輩が、そう言うまで。

 もう、本当にびっくりしました。

 

 ラナちゃん、本当にごめんなさい。

 これまでのこと……。


 先生もみんなも知らないと思いますけど、私、ラナちゃんにひどいことを言ったり、毛嫌いしたり、いじわるしたり。


 そんなこと、してました。


 それなのに……。

 私を助けてくれた……。


 ラナちゃんがあの時、名乗らなかったわけ、なんとなくわかります。

 名乗れば、私が背に乗ることを躊躇うんじゃないかと、思ったと思うんです。

 それほど、ひどい言葉、投げつけてましたから。


 本当に、ごめんなさい。



 ンラナーラがニコリとした。


「いいラ。もう。たくさん、謝って、くれた。気に、してないラ」

 

 ありがとう……。


 実は、あの時、ラナちゃん、三毛猫の妖怪さん。

 ものすごく頑張ってくれたんです。


「スズカ。もういいラヨ。これ、もらった」


 ンラナーラが水色の数珠ブレスレットを外し、みんなが見えるように掲げた。


「うれし、かったラ」


 ううん。

 言わせてくれる?

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