301 ちょっと私! わかったかも!
「ミリッサ! ちょっと私! わかったかも!」
「うん」
「奈良の死体というのが初耳だし、ちょっとそれは置いておいて、さっき話してたささやき担当。やっぱり、この考え方が正しかったんだと思う」
「だな」
「これまでずっと、こんなことはなかった。アウトロー妖怪がそそのかしてたとしても、実際は人殺しなんか、なかった。でも、この夏から、急に連続して人殺しが起きた。五芒星の巡礼地で」
「それって」
とアイボリーが引き取った。
「完全に誰かが仕組んだこと」
「だよね」
「アウトロー妖怪は、具体的には、つまり人が理解できるほどにははっきりとは言わなかったのかもしれない」
「うんうん」
「でも、殺人を意図したささやき担当は、当然、具体的に、分かるように言うよね」
「なので、意図したとおりに殺人が起きた。こんな風に」
レイミが根本道場に入ったのは八月十九日。
翌火曜日八月二十六日に次の巡礼地の栗東の風穴に行く。
アサツリが根本道場に入ったのが八月二十日。
翌火曜日八月二十六日に次の巡礼地の栗東の風穴に行く。
全く一緒。
キリコもそう。
で、三人とも、二人かもしれないけど、人殺しをして来いというお告げ。
アサツリは栗東で殺せ、キリコは能勢でアサツリを殺せ、と聞いて出かけて行った。
そしてその通り実行した。
「ピッタリくる感じする」
「全部、それで当てはまる?」
サリの場合は、八月六日に根本道場。
で、殺されたのは九月二日。
わお!
京北は四か所目の巡礼地。
そしてピッタリ四週間後の火曜日!
「でもさ、犯人ピックパットは、根本道場、八月二十九日だよ」
「んーー、きっと、こいつ勘違いしたんだよ。本来は反時計回りなのに、時計回りに行った」
「なるー」
「その時すでに、巡礼のチラシ、配ってなかったのかも」
「じゃ、ネットか何かで調べて。順番、意識してなかったとか」
「あるある」
「じゃ、奈良は?」
八月十二日、チサ、根本道場。
で、三か所目だから、三週間後の火曜九月二日に襲われてる!
「ということは……」
「チサと同じ週に根本道場に入ったのは、クワッチーサビラさん……」
「そ、それって……」
「チサ殺しをしくじった。それを悲観して、とか。そんな推理が成り立つ」
スペーシアが言いにくいことを率先して言ってくれた。
「そんな……」
ブルータグは少し血の気が引いたように見えるが、表情は変わらない。
聡い子だ。
言われるまでもなく、すでに頭の中にあったのだろう。




