297 行き詰まる推理
この疑問は解いてやることにした。
「なりえるよ。というのは」
根本道場の裏、二の壷から繋がる地下通路。
これを使えば、根本道場に入場せずとも、入った人にささやくことはできる。
「おお、そういう構造になってたんだ。知らなんだー。ということは、それを知ってさえいれば、ペンタゴン関係者じゃなくても、ささやくことはできるんだね」
「じゃ、候補からココミク先輩は外す?」
「どうして? まだ、全然外せないよ」
「ということは、コールミーがささやき担当でも、全然不可能じゃないってことだよね」
「うんうん」
「アサツリと具体名を出して、殺せというささやき、これはわかるよね」
「でも、サリとかレイミとか、コールミーに関係ある?」
「うーん。二人とも競馬関係者ではあるから、接点はないとは言えないけど……」
そう。
ここで推理は行き詰まる。
徹底的に調査を進めれば、コールミーと彼らの接点は見つかるかもしれない。
しかし、だからどうだというのか。
コールミーが、アサツリだけではなく、サリもレイミも憎んでいたとしても、だ。
アサツリもそうだが、彼女らが、みんな、よりによってペンタゴンに行き、都合よくコールミーもそこにいて、ささやいて、それに従って巡礼に赴き、なんて。
そんな確率。
ゼロだ。
アイボリーが言う。
「無理すぎ」
「あり得ないよね」
「うん。その線は消しでいいと思う」
「消し?」
「コールミーが憎きアサツリ、サリ、レイミの三人を殺そうとしたって話。それに、シュウとも、なんにも関係しない」
「誰でももよかったってことは? つまり、本命はアサツリだけで、他は、その目くらましとか」
「目くらまし、ねえ」
「でもさ、そもそも、アサツリを遠隔操作で殺す? あり得るかなあ。自分で行くんじゃない?」
「でも、ささやきは具体的にアサツリって名前、出したんでしょ」
うーん、うーん、ばかりで話は前に進まなくなった。
ジンがまとめようとしている。
「コールミーささやき説は、ここまでかな」
「みたい」
「結論は出さずにおくとして、じゃ、次は」




