295 全然、ピンとこないんだけど
「ちょっといいですか。そのリストでいいんですけど、もうちょっと、なんていうか、例えば」
ピンクタグが言い出したことはもっともだ。
「ささやき担当、一人とは限らないし、もしかすると、噂とか、そういったものかもしれないし」
だから?
課題を提示するだけでは、もうこの段階、話は前に進まない。
「それねえ。あるかも。でもさ、今、そこまでバリエーション広げちゃうと、時間、いくらあっても足りなくなるし、ひとつずつ、潰していかない?」
「わかりました」
あっさりピンクタグは引き下がった。
では ジンよ。
もっと、スピードアップしろよ。
最終コーナー、外に膨れるなよ。
「私も意見、言っていい?」
と、珍しくフウカ。
「もちろん!」
「うん。両方検討するとしても、順番としては、生存者が優先かな、って思う。ささやき担当も何らかの意図があったわけだし、実現したら自分は死ぬ、ってストーリーは無理があるように思うから」
加えてハルニナも言う。
「アサツリ、サリ、レイミか……。全然、ピンとこないんだけど」
「はい! ありがとうございます! じゃ、ほかに意見は?」
前部長フウカとOBハルニナの意見の後だ。
手は挙げにくい。
「アイボリーは? どう思う?」
「そうだなー。殺されてるってパターンももちろんあり得るけど、進め方としては、生きてるって前提でいいと思う」
「OK。じゃ、生存者の中からって方向で、まずは進めるよ」
誰がささやき犯人候補かってことになるけど、まずは、競馬場元警備員コールミー。
これ、言っていいと思うけど、シュウを好きだった。
って、聞いた。
アサツリによって、会社を辞めさせられた。
でもアサツリ、競馬場近くの下着屋さんの店員、キリコが自分が殺したと言ってる。
コールミー、アサツリ、キリコ、そしてシュウ。
このあたりのことについて、意見を出してほしい。
小気味よく話を進めるジン。
意見も出しやすい。
このタイミングでスズカが発言してもいいと思うが、やはり口を閉ざしたまま。
黙って、ジンやアイボリーの顔を見比べている。




