291 泣いても笑っても
翌朝。
お館様からはもう一日、逗留されてはどうかと強いお誘いがあったが、丁重にお断りをしてある。
いくらなんでも、厚かましすぎる。
競馬サークル。
現地観戦もせねば。
「昨日、楽しかったね」
「あの大広間、ミリッサとランが結婚式挙げた部屋なんだって」
「獅子の舞、あれ、すごかったね」
「子狐百乱舞も圧巻だった」
昨夜の参加者、結局、シュウを除き、全員がそのまま京都競馬場に直行したのだった。
今日はランも参加してくれている。
先週の的中ラッシュが嘘のように、平穏無事、つまり、そこそこの的中にそこそこの配当、ちょいマイナス。
ビギナーズラックが続くヨウドウだけが、ちょっとだけプラス。
一日はあっという間に過ぎ、ルリイアのマンション。
さすがにぎゅうぎゅう詰めだ。
テーブルやチェアやソファを廊下に出し、なんとか全員が座れるスペースを確保。
買い出し隊が戻ってくれば、ミーティングスタート。
それまでは雑談タイム。
とはいえ、昨夜のことは、今日日中、散々出た話。
ルリイアが今JRAで起きている面白いことなどを話してくれて、時間を埋めた。
ジンが口火を切った。
「今日はごめん。定例の議題はなしにします。事件の解明、これをします。泣いても笑っても最終回」
下打ち合わせなどはしていない。
ジンにはジンなりの感性がある。
発想力もある。
自分の推理に引きずり込むことになりかねないことはしたくない。
「じゃ、いきなり始めます。みんな、解決案、考えてきた?」




