283 さして会いたくもない
一人、かなり早めに妖怪村に向かった。
ランに念を押しておかねばならない。
もう、突発的なことはごめんだぞ。
心配があった。
披露宴をしてない、などと言いだすのではあるまいな。
だが、ランは、それは考えてないよ、でも、お館様のお考えは止められないからね。
仕方がない。なるようになれ、だ。
もう一つ、用があった。
ハルニナに頼まれていた。
キー・イーことエヌケイビーと、コールミー。話をしてほしい。
罰の大小に苦慮しているとのことだった。
エヌケイビーは最大の罰、コールミーは最小の罰。
これを決めないと、その中間の罰も決められない。
例に漏れず、ヘッジホッグとメイメイとハルニナの意見が分かれている。
「俺がそんなこと、決められるはずがないし、意見もない、言えない」
「私の案は」
「聞きたくない。オマエが決めればいいだけのこと」
「そうよ。でも、妥当なところかどうか、は意見聞きたいのよ」
押し問答の末、二人と会うだけは会おう、ということにしたのだった。
二人を含めカニの幹部全員、すでにアンマニフェストは終了し、素の状態になっているという。
後は体力の回復。
その後、刑の執行、ということだった。
エヌケイビーともコールミーとも、さして会いたくもない。
しかし、エヌケイビーはココミクの父親でありヤタブーの夫。
もう彼女らはこの男に会うことはないかもしれない。
彼女らに対し説明する義務はないが、少しでも関わった身として、知っておくのもいいかもしれないと思ったのだった。
コールミーについても同じことが言える。
シュウのあの話を聞いた手前、コールミーの思いも聞くのが公平かも、と思ったのだった。
二人には、罪や罰、そんな話はしない。
あくまで、見舞いの態で。
そう、ハルニナと話してある。
そしてもう一人、会っておかねばならない人がいる。
キリコ。
娘はまだ妖怪村で療養中。
見舞いが主だが、確認しておかねばならないことがある。
今後、どうするか、を。
戻れば殺人犯として逮捕されるが、ここ妖怪村で隠れ住むわけにもいかない。
そのタイミングを話し合うため。
そして、もう一つ、確認したいこともあった。




