278 パジャマに着替えてる!
目が覚めた。
疲れはある。
体はだるい。
さすがの妙薬も、疲れまでは取ってくれないようだ。
天井を見上げた。
シーリングライト……。
うん、俺の部屋……。
昨夜、あれから、あいだみちを……?
自宅に帰り着いた時……、んー?
記憶がない。
しゃんとせねば。
体を起こした。
ん?
んん?
あ!
ベッドの下にメイメイが寝ていた。
ふう!
そうか、送ってきてくれたのか。
それさえ、記憶にない。
長い睫毛を見せて、かわいい寝息をたてている。
パジャマ……。
前が少しはだけ、盛り上がった胸が規則正しく上下している。
まさか、妙なことになってはいまいな。
と、レンジのチンという音がした。
あ。
誰かいるのか。
メイメイを起こさぬよう、ベッドをそっと抜け出し、リビングに向かった。
え!
俺、パジャマに着替えてる!
うむう……。
記憶にないぞ……。
「あ、ごめんなさい。起こしてしまいました?」
ガリさん……。
「昨夜は、本当に本当にお疲れさまでした」
「ガリさんこそ、お疲れさまでした」
「先生、本当に、こう言っては失礼ですけど、ご立派でした」
「いや……」
情けない。
記憶がなくなるほど飲んでしまうとは。
「ランさんと野球拳まで。ちょっと驚きましたよ」
えええっ!
そんなことまで!
「ランさんが素っ裸になったときには、さすがに驚きましたけどね」
ずっと服なんか着ていなかったし、恥ずかしくもなんともないもんね、などと前と同じ台詞を言ったのだろうか。
「ヨウドウ先生なんか」
うへ。
聞きたくないかも。
「それはもう、目をまん丸にされて」
がーっ。
しっかり見たのか……。
「す、すみません……」
「いいえ、よかったと思いますよ。お館様も他の妖怪さんたちも、それはそれは楽しそうで」
「はあ……」
メイメイが起きてきた。
パジャマには自分で着替えたのか、着替えさせてもらったのか、もう聞く必要はない。
どちらでもいい。
まずは、顔を洗いに。
ランドリーバスケットには、ガリとメイメイが着たのだろう俺のパジャマが入っていた。
冷蔵庫の中のもの、勝手に使わせてもらいました、とガリが朝食を並べてくれる。
ハムエッグとサラダ。トースト。そしてミルクとコーヒー。
素晴らしい朝食!
あれ、ブルーベリージャムなんて冷蔵庫にあったかな?
うん!
食欲がある!
さすが妙薬。
二日酔いは全くなかった。




