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99 二つほくろは特大の銀杏サイズ

 顔に痒みを感じて、目が覚めた。

 ランの髪が顔にかかっていた。

 並んで横になっているラン。

 フェアリーカラーの長い髪の先が風に吹かれて靡いている。

 風の通る気持ちのいい部屋で、藁編みの敷物の上で。


 ラン?

 眠っているのか。


 二つほくろは特大の銀杏サイズ。


 穏やかな寝息。

 上下に動く胸。


 そか。

 ランの寝顔なんて、見るのは初めて。


 ふうん。

 眠るときも、人の姿のままなんだな。

 というか、さっき、カワウソの報告を聞いた時も、妖怪猫の姿ではなく、人の姿だったな。

 こいつ、妖怪村でも常に、この姿をしてるのかな。



 かわいい唇。

 長い睫毛。

 ふっくらした頬に、きれいな曲線を描く顎のライン。


 ふむ、耳はこんなに大きかったのか。

 猫だからな。


 あ、そうか。

 ランの顔。

 どこかバランスが悪いと思っていたが、それは、目と耳のせいだったんだな。

 大きすぎて。

 そして、目鼻口が、中央に寄りすぎてたんだ。人と比べて。


 ランの寝顔……。


 疲れてるんだろな。

 ランも。



 上体を起こした。

 ゆっくりゆっくり。

 ランを起こさないように。


 カワウソはどこに行った。

 あいだみちの案内役は。



 そうしてじっと座っていた。

 ランはまだ起きない。

 もう起こそうか。

 いや、あともう少し寝かせて。

 もう少し……、寝顔を見て……。

 もう少し……。

 ……。

 ……。

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