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プロローグ
人はきっといろんな計画を立てて、生まれてきているのかもしれない。
ピンチの時には助けてもらえるような計画や、守ってもらえる人物を用意しているのかもしれない。
それは前世で、友達だったり、子供だったり、親兄弟だったり、恩師だったり……。
偶然のような必然が用意されていて、私やその人たちにとって最善な物語を書き上げていくのが人生なのかもしれない。
苦しいことも良いことも書き上げていく。
書き直せないことは、次の人生でクリアするしかない。
桜の季節、普通なら心踊る季節のはずなのに昔から私は何も感じない。
散っていく花びらは雪のようで美しいと思う。
咲いている花も、頭では美しいと認識はできるのだけれど、心が美しいと感動して震わない。
それが何故なのか、ずっと分からない。
ピンクが嫌いなのか。
薄い色が嫌いなのか。
なんとなくそれっぽい理由を探しては言い訳にして、誰かに聞かれる度に話した。